この記事をまとめると

■トヨタの販売力は誰しもが知るところだろう

■2021年上半期もっとも多くクルマを販売したメーカーもトヨタだ

■この記事では2021年上半期に売れたトヨタ車以外のクルマを紹介したい

スズキがトヨタに次ぐ販売規模を誇る!

 2021年上半期(1〜6月)に、もっとも多くクルマを販売したメーカーはトヨタだ。そのなかでヤリスが販売1位になった。ヤリス+ヤリスクロス+GRヤリスの合計だから、1カ月平均の登録台数も約2万台に達する。

 2021年上半期に国内販売2位だったメーカーはスズキだ。軽自動車が中心だが、小型/普通車も1カ月平均で約1万台を販売しており、今ではトヨタに次ぐ販売規模を誇る。

 スズキの最多販売車種はスペーシアだ。軽自動車市場では、N-BOXに次ぐ売れ行きだった。全高が1700mmを超える背の高いボディは、今の軽自動車の売れ筋動向に合っている。しかもスペーシアは、標準ボディ、エアロパーツを装着したカスタム、SUV風のギアという具合にボディタイプの種類も豊富で好調に売れている。

 スズキの小型/普通車では、ソリオが最多販売車種だ。実用面ではスペーシアを拡大したような機能を備え、走行性能は大幅に上まわる。

 2021年上半期の3位メーカーはダイハツで、最多販売車種はタントになる。届け出台数はN-BOX、スペーシアを下まわり、軽自動車では販売3位だが売れ行きは堅調だ。

 小型/普通車ではロッキーが好調に売れた。ライズの姉妹車とされるが、開発や製造はダイハツが受け持ち、ロッキーが本家ともいえる。

 2021年上半期の4位メーカーはホンダ。このなかでもっとも多く売られた車種は、軽自動車で販売1位のN-BOXだった。2021年上半期に日本国内で新車として売られたホンダ車の内、N-BOXが35%を占める。

 N-BOXは軽乗用車では車内が最も広く、内装も上質だから、4名で乗車して長距離を快適に移動できる。燃料タンクを前席の下に搭載して荷室の床面地上高を470mmと低く抑えたから、後席を畳むと自転車のような大きな荷物も積みやすい。

 なおホンダの場合、N-WGNなども加えた軽自動車の販売総数になると、国内販売の57%に達する。今のホンダは軽自動車が中心のメーカーになり、その主力がN-BOXだ。

ホンダの小型普通車でもっとも売れているのはフリード

 ホンダの小型/普通車でもっとも多く売られた車種は、コンパクトミニバンのフリードだ。フィットは需要をN-BOXに吸収され、フリードを下まわった。軽自動車の届け出台数に、コンパクトなフリード+フィット+ヴェゼルの登録台数を加えると、国内で販売されたホンダ車の80%を超える。

 2021年上半期の5位メーカーは日産で、もっとも多く売られた車種はルークスだ。先に挙げたN-BOX、スペーシア、タントと同様、全高が1700mmを上まわるスライドドアを備えた軽自動車になる。このスーパーハイトワゴンと呼ばれるタイプは、軽乗用車全体の50%以上を占める。そのためにスズキ、ダイハツ、ホンダ、日産の販売1位も、すべてスーパーハイトワゴンとなった。

 日産の小型/普通車ではコンパクトカーのノートが1位だ。本来ならルークス以上に売れて良い車種だが、半導体の不足なども影響して、売れ行きが伸び悩んだ。

 2021年上半期の6位はマツダで、もっとも多く販売された車種はマツダ2(旧デミオ)であった。今のマツダはSUVに力を入れるが、マツダ2は価格の割安なコンパクトカーなので、同社の最多販売車種になった。

 7位はスバルで、もっとも多く販売された車種はレヴォーグだ。インプレッサの設計が古くなり、レヴォーグが少し上まわった。レヴォーグは今では少数になったステーションワゴンで、日本向けに開発されたから全幅は1800mm以下に収まる。ワゴンの需要が集中して販売も好調だ。

 8位は三菱で、軽自動車のeKシリーズがもっとも多く売られた。注目されるのは、小型/普通車の1位がデリカD:5になったこと。デリカD:5は、ミニバンでは悪路走破力がもっとも高く、外観もSUV風だ。全長が4800mm以下のミニバンでは、3列目シートの広さと居住性は1位になる。

 さらにミニバンでありながら、クリーンディーゼルターボを用意するなど、唯一無二の特徴が多い。販売店では「デリカD:5は発売から14年を経過したが、販売は好調だ。デリカD:5は高く売却できるので、3〜5年ごとに何台も乗り替えるお客様が多い」という。