頼みのイブラヒモビッチも空振りに終わったミランはインテルに完封負けを喫した。 (C) Getty Images

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 宿敵との大一番という難しい試合を落としたとはいえ、それだけでタイトルレースの行方が決定的になるとは言えない。それでも、懸念すべき点があるのも確かなようだ。

 現地時間2月21日に行なわれたセリエA第23節で、インテルとのミラノダービーに臨んだミランは0-3と手痛い黒星を喫した。前節のスペツィア戦を落とし、首位の座を同じ街のライバルに明け渡していた“赤い悪魔”は、勝点差を4に広げられてしまった格好だ。

 立ち上がりに失点したミランは、後半序盤に何度もインテルのゴールに迫ったがネットを揺らすことができず……。逆にラウタロ・マルティネスにドッピエッタ(2得点)を許すと、最後はロメル・ルカクの決定的な3点目に屈した。

 前半戦を首位で終え、「冬の王者」の称号を手にしていたミラン。セリエAはまだ15試合が残っており、インテルを再び逆転して10年ぶりのスクデット(優勝)を果たす可能性は十分にあるはずだ。

 しかし、イタリア紙『Gazzetta dello Sport』電子版のアンケートでは、「ミランはまだスクデットを競えるか?」の質問に、9000人を超えるユーザーの68%弱が「ノー」と答えている。ミランが巻き返すのは難しいとみるファンが多いということだ。

 実際、ミランは2021年になってから、公式戦12試合で5敗を喫している。2020年は1年間で3敗だったことを考えれば、調子を落としたとみられるのも避けられない。ちなみに、8敗のうち3つはインテル戦だった。

【動画】優勝を争うインテルに完敗! ミランが屈したミラノダービーのハイライトはこちら
『Gazzetta dello Sport』は、21年の5敗のうち3試合で無得点に終わっており、さらに3試合は1試合3失点を喫しているとも指摘。5試合で2得点・13失点という数字は、サポーターを心配させてもおかしくないだけに、同紙は「2021年の結果は重く響き始めている」と伝えた。

 インテル戦後、ステーファノ・ピオーリ監督は、「難しい1週間だったが、挽回していく。バランスや仕事を信じることがずっと我々の強みだった」と、反撃に意気込んでいる。

「ここ3試合で我々は自分たちのクオリティを最大限に出せていない。だが、間違った試合をしたのは今日じゃなく、スペツィア戦だ。再びレベルアップしなければならない。最後までうまくやり続けるためのクオリティはあるんだ」

 ミランは、25日にヨーロッパリーグ、ラウンド・オブ・32第2レグでレッドスターと対戦した後、28日に行なわれるセリエA第24節で、敵地に乗り込んで難敵ローマとの一戦に臨む。落とせない戦いが続くなか、ピオーリ・ミランは調子を取り戻すことができるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部