まさに熱演!
 - (C) 2021『ファーストラヴ』製作委員会

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 北川景子が主演を務める映画『ファーストラヴ』(公開中)より、北川ふんする公認心理師と中村倫也が演じる弁護士による口論シーンを捉えた本編映像が一部公開された。長回し撮影による緊迫した空気を感じることができる。

 島本理生による同名の直木賞受賞作を堤幸彦監督が映画化した本作。公認心理師の真壁由紀(北川)が父親を刺殺した女子大生・聖山環菜(芳根京子)の事件に迫るなか、犯人の心の闇とともに自身の過去とも向き合っていく姿が描かれる。

 今回公開されたのは、由紀がともに事件の真相に迫る敏腕弁護士の庵野迦葉(中村)と法律事務所で激しく口論をするシーンの一部。裁判での主張をめぐって意見が食い違い、二人の舌戦がヒートアップしていく緊迫した場面が切り取られている。

 堤組はカット割りを重視することで知られるが、今作には堤監督がほぼワンカットによる長回しを決断したシーンが三つあり、その一つがこの口論シーンだという。当初、細かくカットを割る予定で準備が行われていたが、急きょワンカットで撮影することが決定された。堤監督は「自分の思い描いていたカットワークではどんなに手練手管を尽くしても勝てない! と。数十分のリハーサルでそれを目の当たりにしたんです」と語っているように、役者たちの気迫が監督に長回しを決断させたのだとか。さらには、監督のその決断が役者たちを奮起させることになり、撮影現場ならではの化学反応も生み出されている。

 なお、北川と中村は同い年にして本作が初共演。事件をともに追うバディであり、義理の姉弟として二人だけが共有する過去も持つという複雑な関係を表現している。北川は「中村さんとは同い年なのですが、お芝居面ではとても引っ張ってくださいました」、中村も「北川さんと向き合ってセリフを交わしていくなかでの”気づき”、そこで芽生えた感情などは役にそのまま投影しようと、いろんなものを拾い集めていく作業でした」と信頼感があったことを明かしている。(編集部・大内啓輔)