結成15周年を迎えたロックユニット“GRANRODEO”のボーカル・KISHOW(谷山紀章)とギタリスト・e-ZUKA(飯塚昌明)がパーソナリティを務めるTOKYO FMの番組「GRANRODEOのまだまだハートに火をつけて」 http://mv-sp.gsj.bz/view.page/menu/program/gr/mada2/top。10月20日(火)の放送は、10月6日(火)に惜しくもこの世を去ったヴァン・ヘイレンのギタリスト、エドワード・ヴァン・ヘイレンの偉業を偲び、e-ZUKAが愛する“ギターサウンドの魅力”を徹底解説しました。


(左から)e-ZUKA、KISHOW



e-ZUKAのギタープレイとGRANRODEOサウンドに多大な影響を与えている、“エディ”ことエドワード・ヴァン・ヘイレン。ヴァン・ヘイレンのギタープレイの代名詞といえば“ライトハンド奏法”。現在は“タッピング奏法”と呼ばれており、ピックを使わずにネック上で両手の指だけを使って素早いアルペジオをおこなう、速弾きギタリストの定番奏法です。1978年のデビューのときに、エディの見事なテクニックによって世界的に広まりました。

e-ZUKA:アルペジオの和音がずっとピロピロ鳴っているから、みんなびっくりしたわけですよ。「これ、シンセじゃないの!?」って(笑)。

KISHOW:そうだったんですね。

e-ZUKA:こういうタッチ奏法を最初に知ったのはジューダス・プリースト。ヴァン・ヘイレンより先にちょろっとやっていたのを聴いたことがありますけど、話題にならなかったと思う。だから、ポピュラリティーを得たのはヴァン・ヘイレンからですよね。

そんなヴァン・ヘイレンのライトハンド奏法を広めたきっかけの曲といえば、キンクスの名曲をハードロックアレンジでカバーした「You Really Got Me(ユー・リアリー・ガット・ミー)」です。原曲のリフはシンプルですが、それをヴァン・ヘイレンが弾くと、華やかでエッジの効いたサウンドのカッコいいリフに大変身しました。

e-ZUKA:ヴァン・ヘイレンの特徴として、(コンパクトエフェクターの)MXRの「PHASE 90」というのをかけます。そうすると、(音が)ちょっとショワショワするんですよね。

そして、ライトハンド奏法と並んで有名なのが、エディのギターの独特で魅力的なオーバードライブ・サウンドを表す「ブラウン・サウンド」という言葉です。エディは、どうやってブラウン・サウンドを鳴らしていたかというと?

e-ZUKA:ヴァン・ヘイレンはデビュー前からずっとマーシャルアンプを使っていたわけです。我々ヴァン・ヘイレン研究所が研究を重ねてわかってきたことは(笑)、どうもロスでよく出ていたライブハウスに常設してあったマーシャルアンプを、ヴァン・ヘイレンが気に入って、もらったか買ったかした、という話なんですね。

それが、e-ZUKAも持っている1968年製の「Marshall 1959」。この年代に開発されたモデルは、その後アルミ製になったコントロール部のパネルに、プレキシグラスといわれるアクリル素材が使われていたことから、別名「プレキシ・アンプ」とも呼ばれています。

KISHOW:音にはどういう特徴があるんですか?

e-ZUKA:誰が言ったかは知らないですけど、一説によるとブライアン・メイ(クイーン・Gt.)が名づけたらしいんです。エディとレコーディング・セッションか何かをしたときに、「あいつの音はブラウン・サウンドだった」と。要するに、温かみがあってジューシーで、音がでかくてきらびやか。ちょっと相反するんですけど、温かみがあるのにきらびやかなんです。

KISHOW:ふーん、ニュアンスですね。

e-ZUKA:(音が)太くてね。僕としては、マーシャルアンプを使えばブラウン・サウンドは出せて、あとは自分の努力次第、というのが結論です(笑)。

KISHOW:エディの音はエディが弾かないと出ない感じ?

e-ZUKA:出ないし、エディでも時代によってちょっと違うんですよね。だからね……6枚目のアルバムで『1984』が出るわけです。大ヒットした「Jump」が入っているやつね。僕に言わせると『1984』の音は若干枯れているんですよね。

その後、ボーカルがデイヴィッド・リー・ロスからサミー・ヘイガーに代わって出したアルバム『5150』になると、エディの使用アンプメーカー自体もマーシャルからソルダーノにチェンジ。その後は、自身のシグネイチャー・アンプ「5150」をピーヴィーと契約して作り、昔と音色も変わったそうです。

もう1つブラウン・サウンドを決定づけているのが、エディが使用しているギター。特に有名なのが、通称「フランケン」と呼ばれる赤地に白と黒のテープが張り巡らされたような模様の「フランケンシュタイン」ギター。エディが自作したもので、ヴァン・ヘイレンを象徴するギターです。しかし、「You Really Got Me」時代は別のギターを使っていたため、ブラウン・サウンドだと認めないファンもいるそうです。

e-ZUKA:実は「アイバニーズ」を使っていたんですね。日本にグレコというメーカーがあって、そのグレコが海外に輸出していたギターブランド。それのギブソンのエクスプローラーモデルを使っていたんですよ。ストラトタイプ(のフランケン)よりも、もうちょっと柔らかい音でジューシーなんです。

KISHOW:エッジがいい意味で立ってない感じ?

e-ZUKA:そうそう。ソロはエッジが立つんだけど、バッキングはジューシーで、絞るとジュースが出てきそうな感じ(笑)。だから僕は、その時代のブラウン・サウンドが好きなんですよね。

番組では、エディらしいギターソロナンバーとして「Eruption」を選曲。古今東西のギタリストに愛されているこの曲を、e-ZUKAは年に1度はコピーし直すそう。e-ZUKAのヴァン・ヘイレン愛は、エディ亡き後も尽きることはなさそうです。

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聴取期限 2020年10月28日(水)AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:GRANRODEOのまだまだハートに火をつけて
パーソナリティ:GRANRODEO(KISHOW、e-ZUKA)
放送日時:毎週火曜21:00〜21:30
番組Webサイト:http://mv-sp.gsj.bz/view.page/menu/program/gr/mada2/top