パスポートと別人? 空港スタッフ女性が、内心焦ったお客さまたち
 ライターの高木沙織です。かつてグランドスタッフとして6年間勤務してきた私。みなさんが空港で接する航空会社の地上職員です。

 新型コロナウイルスの影響で海外旅行の本格的再開の見通しが立たない今。過去に行った旅行の写真を見て「早く海外に行きたい!」と思っている人は多いのでは? 私もそうです。近距離なら韓国や台湾、中・長距離ならヨーロッパの街並みを見て歩いたり南国のビーチでただのんびりしたり。いろいろな国、行きたいところばかり。

 あ、中・長距離で思い出しました。グランドスタッフ時代のチェックインで焦ったこんなことを……。

◆メイク、どこで落とす?

 パリにフランクフルト、シドニー、ハワイ、ニューヨーク、ロサンゼルス……。日本から7〜12時間ほどの飛行時間を要する中・長距離路線のフライトになると到着後の観光を万全の体調で楽しむためにも機内での過ごし方が大事になってきますよね。リラックスして快適に過ごしたいし、ちょっとでも深い眠りにつけたらラッキー。旅行中だって肌のコンディションがいい状態でいたいから、メイクも落としておきたいし。

 そうこのメイク問題ね、結構悩ましいんですよ。お客様にとっても、グラホ(グランドホステス、現在でいうグランドスタッフ)にとっても。

 ちなみにみなさん、メイクってどこで落としますか?

◆一番多かったのは、搭乗前のクレンジング

「“誰”と旅行に行くか」でも変わってくるとは思いますが、空港でチェックインを終えたあと、もしくは出国審査を終えたあとにゲート近くのトイレでメイクを落とす人が多いでしょうか。これなら同行者にスッピンを見られる時間が少なく済みますよね。

 グラホ時代、チェックイン時はばっちりメイク、そして搭乗時はツルンとした顔になっているお客様をよく見かけました。みなさん出発ゲート付近のトイレでメイクを落としているようです。

 しかし、ときには免税店での買い物を楽しみすぎて時間がなくなってしまったのか……

「〇〇航空△△便にて××へ出発の□□様、搭乗の最終案内でございます」
 とアナウンスされてしまい、メイクを落としきれていない状態でトイレから走ってくるお客様の姿も。

 ちなみに私も基本的にはこのタイプ。せっけんで落とせるミネラルファンデーションやアイシャドウなど、肌に優しく簡単にオフできるコスメを使って、それをメイク落としの拭き取りシートでササッと。機内に持ち込む液体物が少なく済むし、旅行中はなにかと重宝するんです。まぁ、本当は最初からスッピンで行きたかったのですが同僚や上司・先輩、当時好きだった人(エアライン勤務だった)に会うと気まずいのでやむを得ずです。

 あとは、飛行機の離陸後しばらくして照明が落ちたあとに拭き取りシートでメイクを落とす人もチラホラいるよう。

◆家からスッピン派も。パスポートチェックが慎重に…

 次いで多かったのは、すでにメイクを落とした状態でチェックインに来るお客様。家からスッピンの人もいれば、空港到着後すぐにメイクを落とす人もいるのでしょう。こちらは早朝や夕方以降のフライトのお客様に多く見られました。

 そして……、大変失礼ながらこのようなお客様に対してチェックインカウンターでの私たちは、焦ることもしばしばあったのです。

 だって!! みなさんメイクがお上手だからパスポートのフルメイク写真とチェックインカウンターでの手続き時の顔が「誰っ?!」ってくらい違……うんですよ。すみません、私もそうなのであえて言わせていただきます。

 とは言っても、「本当にご本人様ですか?」と疑うほどに大変身をとげる人ばかりではありませんよ。“ん? ちょっと違う?”くらい(すみません)。チェックインカウンターでの手続きは本人がおこなわなければならないので、私たちも慎重にならざるをえないのです。