ブレーメンに所属する日本代表FW大迫勇也を総括【写真:Getty Images】

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今季の大迫を総括 攻撃センスを高く評価「ベストスコアラーになっていたかも…」

 ブンデスリーガのブレーメンに所属する日本代表FW大迫勇也について、ドイツ地元紙「ヴェーザー・クーリエ」が特集記事を掲載し、同選手の今季のパフォーマンスを総括している。

 大迫は今季ブレーメン所属2年目を迎え、最終的にリーグ戦28試合8得点をマークした。だが第13節から第30節までゴールから見放されるなど、現地メディアから批判を浴びることも多く、「ヴェーザー・クーリエ」紙のシュテファン・ロンメル記者も「大迫の奇妙なシーズン。この日本人選手はもっと重要な存在になれたはず」と見出しを打って、今季のパフォーマンスを振り返っている。

 ロンメル記者は大迫が苦しんだ要因として、昨年9月に太腿の怪我を負ったことに加えて、昨季終了後に元ドイツ代表FWマックス・クルーゼがチームを去り、代わりにゲームメークの役割を課されたことを挙げ、シーズンを通して本来の実力を発揮しきれなかったと指摘。「今季のブレーメンの危機を象徴するような存在になっていた」と、厳しい評価を下している。

 ただ、こうした大迫への指摘は、それだけ期待が高かったことの裏返しかもしれない。同記者は「ユウヤ・オオサコは、相手のディフェンスラインと中盤の間のスペースを見つけるだけでなく、そのスペースを正しいタイミングで使うことのできるマイスター(名人)だ。彼はブレーメンで、この能力を持ち合わせている唯一の選手であり、静かな攻撃に突如として鋭さを加えることができる」と綴り、大迫が相手の守備ブロックの間の狭いスペースで質の高いプレーができる唯一の存在だったと称えている。

 さらに「相手選手がぴったりとマークについていて、ゴールに背を向けた状態でボールを受けた時、大迫は特に危険な存在になる。その状態からターンすることで、彼は試合に躍動感をもたらすことができる。ターンの瞬間に大迫の特別な強みとポテンシャルが発揮される」と高く評価した。こうした大迫本来の良さが出ていれば、「二桁ゴールと二桁アシストを記録し、ブレーメンのベストスコアラーになっていたかもしれない」と分析。リーグ戦では不振が続き、一時は自動降格圏に沈んでいたブレーメンだが、2部ハイデンハイムとのプレーオフを制して、来季もブンデスリーガで戦うことが決まっている。リーグ戦の終盤4試合で4ゴール1アシストと活躍した大迫だが、来季は周囲の期待に応えるため継続的に好パフォーマンスを発揮することが求められているようだ。(Football ZONE web編集部)