久保のマドリー復帰の鍵を握るのがEU圏外選手枠だ。(C) Getty Images

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 期限付き移籍をしたマジョルカで、久保建英はラ・リーガ1年目とは思えない鮮烈なインパクトを残した。

 現地での評価もうなぎ上りだが、保有元のレアル・マドリーでプレーするのは来シーズンも難しいというのが大方の見方だ。

 その大きな障壁となっているのが、3つしかないEU圏外選手枠だ。マドリーのそれは、エデル・ミリトン、ヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴのブラジル人選手で埋まっているため、久保が入る余地がないのだ。

 そんななか、スペイン紙『MARCA』は7月24日、この日本代表MFがスペイン国籍を取得できるかどうかを特集した。
 
『MARCA』紙はまず、日本が二重国籍を認めていないことを紹介。国籍法が施行された1985年1月1日以降に、片方の親が日本人ではない場合などで2つの国籍を持つ場合は、22歳まで(20歳以降に二重国籍となった場合はその日から2年間)にどちらかの国籍を選ばなければならないと伝えた。

 また、スペイン国籍を取得するには、合法的かつ継続的にスペインに10年間居住する必要があると指摘。例外として、難民として認められた場合は5年、イベロアメリカ(スペインやポルトガルの植民地だった中南米の国々)、アンドラ、フィリピン、赤道ギニア、ポルトガルの出身者は2年、スペイン人と結婚した時は1年で取得できる場合があると説明している。

 そして、「クボは日本かスペインの国籍を選ぶことになる。そうなると、(日本国籍を捨てる可能性は低いので)法律が変わらない限り、ヨーロッパではどのリーグでもEU圏外選手として扱われることになる」と結論づけている。

 ただ、イベロアメリカのひとつであるブラジルの選手は、最短2年でスペイン国籍が手にできるため、そう遠くない未来にEU圏外枠が空く可能性は十分にある。実際、ヴィニシウスは来年1月に取得できるとも言われている。

 セレソン戦士たちがEUパスポートを得たタイミングで、さらに逞しく成長した久保がレンタルから復帰する。それが、マドリーが思い描いているプランなのだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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