場所を選ばず、おうちでもできる女性に人気のヨガ。いまではヨガスタジオだけでなく動画やアプリでも気軽にできますよね。筆者もステイホーム期間中、目に余る運動不足だったので動画を見がならヨガを実践しました。でも3日後……イタタタ、腰が痛い!運動不足解消どころか逆効果という結果に。

ヨガはスローなのでケガしないと思われがちなんですが、そうではないんです」。そう語るのは、解剖学に基づくヨガを教えているヨガインストラクターの金原麗子(キンバラレイコ)さん。自己流でヨガをやるときに気をつけるべきことを教えてもらいました。

ヨガは「ポーズを完成させること」が目的ではない

ヨガを自己流でやるときに陥りやすいのが、先生のポーズを完全コピーしようと張り切ること。でもヨガはほかの人と比べるのではなく、自分のそのときの体の状態に合わせるのが基本。そしてポーズの目的を理解し、無理なく行なうのが重要です。

例えば体を三角形に作る「ダウンドッグ」は"背中をのばすこと"を一番に考えるポーズ。インストラクターが背中も足もピンとのばしていても、その完成形を初心者がいきなり目指す必要はありません。背中をのばしていれば、実は足は曲げてもOK。これは「軽減法」といい、背中をのばすという目的を果たしているので、効き目もしっかり感じられます。

初心者がヨガ動画を見ながらヨガを行うときは、この「軽減法」を伝えているインストラクターの動画を選ぶのがおすすめです。

正しい軽減法を伝えてくれるインストラクターを選ぶのが大事。

いきなり「ポーズ」は絶対ダメ!呼吸&ストレッチからスタート

ヨガ動画でよくあるのが、「5分でできるヨガ」など短い時間でできるもの。忙しいときに気軽にできる動画はとても便利ですが、いきなりポーズをとるのは絶対NG。ヨガは呼吸を整える→徐々に身体を動かす→大きく身体を動かす→クールダウンといった「流れ」が大事なんです。やってみたい動画がいきなりポーズから入るものであれば、その前に自分で呼吸&ストレッチを事前に行なえばOKです。

また、ヨガをはじめとしてすべての運動は「呼吸」が重要。ポーズに集中してしまうと呼吸が止まってしまいがちですが、インストラクターの声に耳を傾けながら「呼吸と動作を連動させること」を意識していきましょう。

一度見てから実践を。「動画見ながらヨガ」は危ない

自己流でヨガをやるときについやってしまうのが、「動画を見ながらヨガ」。はじめての動画を見るときに、多くのひとがポーズをとりながら目線を携帯やPCに向けてしまうと思います。しかし例えば先ほどの例にもあったダウンドッグは、頭を上げるのではなく頭を少し下げ背中と頭が一直線になるのが正しいポーズ。そのため頭をあげたり首を横に曲げたりすると、首を痛めてしまうこともあるんです。また、ヨガには「橋のポーズ」など頚椎を痛めるため、首を絶対に動かしてはいけないポーズもあります!そのため動画は一度見てからその流れを記憶し、インストラクターのインストラクションを聞いて実践することが大切です。

解剖学に基づく正しいインストラクションをしてくれるインストラクターは意外と少ないそう。

自己流だけでなく、正しいインストラクションを受けよう

おうちでヨガを楽しく続けるためには、ケガをしないことが最優先!自分のポーズが危険なく行なわれているかを確認するために、自己流だけでなく正しくインストラクションしてくれるスタジオでレッスンを受けるのが一番です。時間がなかったり、外出に不安を感じる方はオンラインでレッスンを受けるのも一つ。レッスンを受けるときは一人一人の体を丁寧に見てくれ、必要に応じて軽減法を教えてくれる先生がベストです。

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ヨガは動画を見ながら気軽にできるけれど、自己流で行うときは注意が必要です。金原さんのアドバイスを参考に、無理せず、ケガせずヨガを楽しんでくださいね!

金原麗子さん(Instagram @ganbareiko)。 

取材協力:金原麗子さん
東京湾岸エリア勝どきの「スタジオメレリエ」、横浜あざみ野の「時のヨガ」でヨガインストラクターとして活動中。インストラクター養成講座の筆記試験で歴代最高得点を塗り替える。モットーは「正しいカラダの使い方」を細かくていねいにお伝えし生徒さんのカラダを自分のカラダのように向き合うこと。他にもライターやSサイズモデルなど幅広く活動。

文/小浜みゆ