MF柴崎岳所属のデポルティボは3部降格が決定

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 スペイン2部リーグは20日、最終第42節を各地で行い、MF柴崎岳所属デポルティボの1980-81シーズン以来となる2部B(実質3部)降格が決まった。当初予定されていたフエンラブラダ戦は、相手チームの新型コロナウイルス感染拡大によりキックオフ直前でまさかの延期。それでも他会場でライバルチームが揃って勝利したため、延期試合を戦わずして19位以下が確定した。

 スペイン2部リーグは順位決定の不公平を防ぐため、他の各国リーグと同様に最終節を一斉開催で行っている。ところがスペイン紙『マルカ』によると、キックオフ約2時間前の遠征先のホテルで、フエンラブラダの選手7人とコーチングスタッフ5人から新型コロナウイルス感染症の陽性反応が判明。リーグ主催側はこの試合のみ延期という決断をした。

 それでもデポルティボは延期試合を待たずに降格が決まった。この日、残留を争っていたアルバセテとルーゴが揃って勝利したため、残留圏内18位とデポルティボの勝ち点差は3に拡大。18位のポンフェラディーナとは直接対決の結果で下回っているため、逆転は不可能となった。

 デポルティボは降格決定直前、公式サイトを通じて延期決定に関する声明を発表。「中止に至った衛生的理由には全面的に同意するし、それは想定していたことだが、フエンラブラダが会場に現れなかったのに対し、デポルティボはこうした状況を強いられて損害を被っている」と主張した上で「正当な利益を守るため、必要な法的処置を検討し、実行していくことになる」と伝えている。

◆激動の2019-20シーズン

 今季のデポルティボは開幕節のオビエド戦(○3-2)こそ勝利したものの、そこからまさかの19試合勝ちなし(9分10敗)。フアン・アントニオ・アンケラ元監督を昨年10月上旬に解任し、ルイス・セサル・サンペドロ前監督が後を継いだが、一時は大差で2部リーグの最下位に沈んでいた。

 それでも昨年12月20日の第21節テネリフェ戦(○2-1)でようやく勝利すると、年をまたいで7連勝。2020年に入って就任したフェルナンド・バスケス監督の下、3バックへのシステム変更も奏功し、残留圏内に急浮上した。それまで出場機会を失っていた柴崎もボランチのレギュラーに再び定着し、チームは良いサイクルを保っているように思われた。

 ところが柴崎がプロキャリア初の退場処分を下された2月23日の第29節サラゴサ戦(●1-3)など、2月中旬以降は再び勝利から見放されて再び降格圏に転落。新型コロナ禍による中断明けは復調し、一度は7戦負けなし(3勝4分)で再び残留圏内に浮上したものの、終盤にはバスケス監督が合計5試合のベンチ入り停止処分を下されるなどロッカールームのトラブルも続発し、またも連敗が続いた。

 最後も試合を行わずして降格が決定するというトラブル続きのシーズンを象徴するような幕切れ。1999-2000シーズンにリーガ・エスパニョーラを制し、03-04シーズンにはUEFAチャンピオンズリーグで準決勝進出を果たすなど、“スーペル・デポル”の異名を取ったデポルティボだが、来シーズンは地域別の3部リーグで戦うこととなった。