省エネするなら追い炊き・ふろ自動どっち?洗濯機は斜めドラム?縦型?

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今回も総合家電エンジニア・本多宏行さんにお話を聞きました。

■お話を聞かせてもらった総合家電エンジニア本多さんのプロフィール





総合家電エンジニア 本多宏行さん

大手自動車ディーラーでメカニックを経験した後、1999年に延長保証会社『テックマークジャパン』へ入社。各種対象製品の機能に加え、故障原因や修理についての幅広い知識が求められる延長保証サービスに伴う修理精査を担当。

取り扱い製品は、家電全般、住宅設備(給湯器、換気扇、温水洗浄便座等)、パソコン、車など多岐に渡る。多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「総合家電エンジニア」資格を保持し、チームを牽引。

■洗濯機は斜めドラム式と縦型式どちらを選ぶと節電になる?



洗濯機の使用電力を考えたときポイントになってくるのは乾燥機能の種類と使い方。まずは節電効率の高い洗濯機をチェック!

「洗濯機の乾燥機能は2種類あり、縦型洗濯機ですとヒーター式、斜めドラムの洗濯機ですとヒートポンプ式という乾燥機能が採用されています。比較した場合、節電効率が高いのはヒートポンプ式。こちらのほうが低い電気代で効果的に乾燥させることができますね」

ヒーター式、ヒートポンプ式に関わらず、乾燥機能を使うタイミングにも節電ポイントがあるようです。

「洗濯機は乾燥機能が最も電力を必要とするので、電気代が安くなる時間帯を利用するのも一案。その時間帯にタイマーを合わせてお洗濯をするのもオススメです。電気代の安くなる時間帯は電力会社との契約コースによっても異なりますので、まずはご自身の契約コースを確認してみてください。洗濯機に限らず賢く家電を使いこなす目安になりますよ」

電気料金の契約コースは使用料の明細や各電力会社のホームページをチェック! 

★洗濯機の賢い節約

・乾燥機能に関しては縦型より斜めドラムの洗濯機が節電できる

・乾燥機能を使うときは電気料金が安い時間が狙い目

■お風呂の沸かし直し・追い炊き・ふろ自動どれがお得?



Q.「追い炊き」か「高温の足し湯」、どっちが節約になる?



浴室の節電についてはエコキュートや電気温水器など、電気を使ってお湯を沸かし貯湯タンクに貯めておくタイプのお風呂に注目!お湯がぬるいとき「追い炊きにするか高温の足し湯にするか」はちょっと迷うところ。節電を考えた場合賢いのはどちらなのでしょうか?

「追い焚きの場合は、貯湯タンクの熱を使ってぬるくなった浴槽のお湯を温めます。タンク内のお湯の量は減りませんが熱を奪われて温度が下がります。一方、高温の足し湯の場合は浴槽に貯湯タンクの熱いお湯を送るだけです。タンク内のお湯の温度は下がりませんが貯湯してあるお湯の量は減ります」



●追い炊きの場合…貯湯タンクのお湯の量は減らず温度が下がる

●高温足し湯の場合…貯湯タンクのお湯の温度は下がらず量が減る

「貯湯タンクのお湯の温度が下がると、いざお湯を出したときに熱いお湯が出なくなることを防ぐため、沸かし直しが必要になります。

沸かし直しには大きな電力が必要になりますので、追い炊きよりも高温の足し湯を利用したほうがお得です。

ただ、これに関してもお風呂に入る時間帯にもよりますので、電気代が安い時間帯であれば追い炊きを使ってもさほど電気代は変わらないということもあります」



Q.沸かし直しは「追い炊き」と「自動運転」どっちがお得?



入浴時間はなるべく間隔を空けないほうが良さそう…ということは想像がつきますが、パパの帰りが遅いなど時間にバラつきが出ることも。そんなときは「追い炊き」と「自動運転」どちらがお得なのでしょうか?

「残り湯を使う時間帯にもよりますが、追い炊きよりもお風呂の自動運転で保温しておくことをオススメします。ただ、電気代が安い時間帯ならばどちらでも大きな差はないでしょう」

完全に冷え切った前日の残り湯に関しては、沸かし直すよりも新たにお湯張りをするほうが電気代的にはお得です!



Q.温水から冷水に切り替えるときも節約ワザがある!?



温水から冷水に切り替える際、ちょっとした一手間で節電できる方法もあるそう。お風呂上がりに冷水を浴びる人や、お風呂上がりにお風呂掃除もしている…という人は要チェックです。

「混合水栓の場合、仮に40度なら40度の状態からハンドルを一気に冷水まで回すという行為を行うと、給湯器内部の温度調節弁が動作しなければならなくなります。温度調節弁を動かすということはわずかであっても電力を必要とする行為ですので、そのぶん電気代がかかります。

そこでポイントになるのが水栓のハンドルの操作方法。やり方はものすごく簡単です。まず、温水シャワーを一旦止めてください。止まったことを確認したら、混合水栓の温度調節ハンドルを冷水に切り替えます。中途半端に操作せず、完全に冷水へと切り替えてください。この操作で給湯器内部の調節弁は動作の必要がなくなります!」

温水から冷水に切り替えるときは、少し手間でもいったんお湯を止めてから水にするというステップを踏むことが大切!

★お風呂の賢い節約

・追い炊きよりも高温の足し湯

・追い炊きより自動運転で保温

・温水を一度止めてから冷水を出す

■洗面化粧台・トイレ・ウォシュレットの節約



滞在時間は短めでも、頻繁に出入りする洗面脱衣所やトイレの節電ポイントについて知りたい!まずはトイレ・洗面所どちらにも共通する照明について聞きました。

Q.どちらも頻繁に照明のON・OFFをする部屋ですが向いている照明は?



全部屋の照明についても言えることですが、LED電球が良いでしょう。蛍光灯や白熱灯に比べても電力を抑えることができますし、電源の入り切りに関しても耐久性が高いので交換をオススメしますね。しかし頻繁なオンオフは蛍光灯、白熱灯、LED関わらず負荷をかけるので、無駄なON・OFFはさけましょう!



Q.洗面化粧台に節電ポイントはある?



電球をまずLEDに変えること。そして、鏡のくもり止めヒーターは必要なとき以外はOFFすることをお忘れなく!また、洗面台だけに限ったことではありませんが、節水に気をつかうことで社会全体への節電に貢献することができます。水道水を家庭に届けるためには浄水場や下水処理場、さらには水道水を供給するためのポンプなど、多くの電力を必要とします。わずかな節水が大きな節電につながります。

Q.ウォシュレットは節電できますか?



温水シャワーには、温水状態を保温しておく貯湯タンク方式と、使うタイミングで温水を作る瞬間方式があります。どちらもヒーターを熱源としますが、前者は保温を続けているかぎり電力を必要とし、後者は使用する瞬間だけ電力を必要としますので、総合的に瞬間方式のほうが節電効果を期待できるでしょう。

新築やお引っ越しなどでウォシュレットの設備を選べる場合には注目してみるといいかもしれません。

★洗面所・トイレの賢い節約

・電源のON・OFFが頻繁な場所こそLED電球

・洗面化粧台のくもり止めヒーターはマメにOFF

・ウォシュレット設備の温水シャワーは瞬間方式がお得

次回予告



第4週目はママにとって最も馴染み深い場所“キッチンの家電”がテーマ。冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器など毎日使う家電の電力カットテクニックを伝授します!

企画構成 mamagirl編集部/ライター ささきみどり