出廷する李明博被告=19日、ソウル(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】横領や収賄などの罪に問われた韓国元大統領、李明博(イ・ミョンバク)被告(78)の控訴審判決公判が19日、ソウル高裁で開かれ、高裁は懲役計17年(求刑同計23年)、罰金130億ウォン(約12億円)などの判決を言い渡した。同被告は健康状態の悪化などを理由に昨年3月に保釈されたが、裁判所が保釈許可を取り消したため再び拘束された。

 2008年から5年間、大統領を務めた李被告は、自動車部品会社「ダース」を実質的に所有して巨額の資金を横領した罪や、ダースの米国での訴訟費用をサムスン電子に肩代わりさせるなどして総額110億ウォンを受け取った収賄罪などに問われ、18年4月に起訴された。

 一審は同年10月、李被告が問われた収賄額のうち、サムスンが肩代わりした米国での訴訟費用の一部である約61億ウォンなど、計約85億ウォンを有罪と認定。また、ダースの資金横領などを有罪と見なし、懲役15年、罰金130億ウォン、追徴金約82億ウォンの判決を言い渡した。

 検察は控訴審が進められていた昨年5月、政府組織の国民権益委員会から李被告の追加の収賄容疑を裏付ける情報と資料の提供を受け、捜査を実施した。その結果、サムスンが訴訟費用の名目で渡した金銭がさらにあることをつかみ、起訴状を変更。李被告が罪に問われる収賄額は約51億ウォン増えた。

 これに基づき、検察は控訴審で、一審の求刑(懲役20年)を上回る懲役計23年などを求刑した。一方の李被告側は起訴内容を否認し、無罪を訴えていた。