北朝鮮の朝鮮中央通信が報じた先月の「超大型放射砲」発射実験の様子=(朝鮮中央通信=聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫

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【ソウル聯合ニュース】韓国軍合同参謀本部は28日、北朝鮮が同日午後4時59分ごろ、東部の咸鏡南道・連浦から朝鮮半島東の東海上に「超大型放射砲(多連装ロケット砲)」とみられる短距離の飛翔体2発を発射したと発表した。2発は約30秒間隔で発射された。北朝鮮がこれまで3回行った試験発射で成功しなかった「連続射撃」に成功したものとみられる。

 合同参謀本部によると、発射された飛翔体の飛距離は最大約380キロ、高度は97キロに達したとみられ、韓米の情報当局が分析を進めているという。

 北朝鮮が飛翔体を発射したのは、先月31日に中部の平安南道・順川付近から東海に向け、超大型放射砲とみられる飛翔体2発を発射して以来。今年に入ってから13回目の飛翔体発射となる。

 先月発射された超大型放射砲は最大高度が90キロ、最大飛距離が370キロだった。今回の4回目の発射では飛距離も高度も前回を上回った。

 合同参謀本部は「わが軍は追加の発射に備え、関連動向を監視しつつ、即応態勢を維持している」とし、「このような北の行為は朝鮮半島の緊張緩和の努力に役立たない」と批判した。

 また北朝鮮の飛翔体発射に対して強い遺憾を表明し、軍事的緊張を高める行為を直ちに中止するよう求めた。

 北朝鮮は今月23日にも南北軍事境界線に近い南西部・黄海南道の昌麟島で金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の指示の下、海岸砲の射撃を行うなど、挑発を続けている。

 北朝鮮が飛翔体を発射したのは、新型兵器の性能試験という目的があるが、米朝関係や南北関係が膠着(こうちゃく)状態にあることに対する不満の表れとの見方も出ている。