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登山やトレッキングなどを趣味にしている人にとり、方位や気圧、高度などが計測できるアウトドアウォッチはなくてはならない道具。たまに軽い山歩きを楽しむ程度のビギナーにとっても憧れのアイテムだ。しかし、あまり多機能すぎる製品は使いこなしが難しそうで初心者にはハードルが高く感じてしまいがち。気軽に使えて山歩きにも日常にも活躍してくれる製品ってないだろうか。

そんなことを考えていたら、タイミングよくカシオ計算機から本格派アウトドアギア「PRO TREK」ブランドの新製品「PRT-B50/B50FE」が登場した。方位、気圧/高度、温度計測、歩数計測が可能なクワッドセンサーに加え、スマートフォンリンク機能を搭載して使い勝手が向上しているという。

その実機をお借りすることができたので、さっそく腕にはめてトレッキング入門の定番、高尾山に登ってみることに! PRT-B50の実力や如何に?

○利用シーンを広げるクワッドセンサーを搭載

登山に出かける前に、製品のおもな特徴をおさらいしておこう。

まずは、「クワッドセンサー」。PRO TREKシリーズは、これまでも方位、気圧/高度、温度計測のトリプルセンサーを搭載したモデルがあったが、本製品はそれに加えて歩数計を新たに搭載しているのがポイント。

もうひとつの特徴が、スマートフォンリンク機能の搭載だ。これはBluetooth経由で時計本体と専用スマートフォンアプリ「PRO TREK Connected」を連携させられるというもの。

これらの機能により、時計で計測した高度とスマホのGPSで取得した経路をもとに精密なルートログを記録できるようになった。また、任意の地点までの方向や距離を時計上に表示できるようにもなっている。

さらに、高度と歩数の計測値をもとに昇降要素を加味した消費カロリーの算出を行うことも可能になった。トレッキングはもちろんだが、日常のジョギングやウォーキングなどにも大いに活躍しそうだ。

ちなみに、Bluetooth接続といっても省電力なBluetooth Low Energyに対応しているためほとんど電力は消費しない。そのため、標準的な使い方なら内蔵のボタン電池で約2年間(!)もの使用が可能とのこと。電池残量を気にせず使えるのは非常にありがたい。

○歩いた道だけでなくスマホのカメラで撮影した場所も記録される!

実際にPRT-B50をスマホと連動させるには、最初にちょっとした準備が必要。といっても、専用アプリの初回起動時に画面に表示される内容にしたがってペアリングするだけでOK(ペアリングは初回時のみ必要で2回目以降は不要)。

無事ペアリングできたのを確認し、まずはルートログ機能を試してみることに。手順はとても簡単。時計が時刻モードか高度計測モードになっていることを確認したら(なっていない場合は左下にあるボタンを2秒以上押すと時刻モードになる)、右下のボタンを5秒以上押し続けて液晶に「LOG」の文字が点滅し始めたら指を放せばOK。しばらくすると表示が「LOG ON」になり、ルートログ機能が有効になる。

ルートログ機能をオンにすると、自分で機能をオフにするか12時間経つまでは、ずっと高度と経路を記録し続けてくれる。アプリを見ると、ホーム画面の「ROUTE LOG」の下に「計測中」と表示されているはずだ。

機能がオンになったのを確認して、さっそく高尾山を徒歩で登り始めることにする。ちなみに高尾山はケーブルカー・リフトの出発点である清滝駅付近で1号路と6号路に分かれているが、観光案内所のスタッフの方によると台風15号の影響で倒木があり6号路は閉鎖されているとのこと。そのため今回は上級者向けの6号路は諦め、定番コースの1号路を進んでいくことにした。

1号路は道路の大部分が舗装されているうえ、休憩するポイントが点在していて初心者にも歩きやすいコース。とはいえ、結構勾配が急なところもあるので時計で高度を確認しながら無理せず登っていくことにする。ちなみに時計の右下のボタンを2秒以上押すと、その場所の高度ポイントを歩行軌跡にプロットすることができる。またスマホのカメラで撮影すると、その場所がアプリ上にカメラマークで示される。景色のよい場所はもちろんだが、倒木があったり、通行止めの場所を記録しておくと、あとで確認できて便利だ。

○ロケーションインジケーター機能が便利すぎる!

今回選択した1号路は、途中で2号路や4号路など、いくつかのコースに分岐している。これらのコースは舗装されていない道が大部分なので本格的なトレッキング気分を味わいたい人向き。迷う心配は少ないが、途中で別の道に接続しているコースもあるので注意は必要だ。

こうした分岐点で使うと便利なのが「ロケーションメモリー」と「ロケーションインジケーター」機能だ。

ロケーションメモリーとは、現在位置を記録する機能。時計が時刻モードか方位計測モードになっていることを確認し(なっていない場合は左下のボタンを2秒以上押すと時刻モードになる)、右上のボタンを5秒以上押し続けることで現在地の位置情報を記録できる。

その状態で道を進んで途中で引き返したいと思ったら、右上のボタンを2秒以上押すと、秒針がロケーションメモリーで記録した地点の方角を指し示し、液晶にその地点までの距離を示してくれる。これがロケーションインジケーター機能。

秒針の方向に向かって距離を確認しながら進んでいけば、無事メモリーした地点にたどりつけるというわけだ。

いくつかの分岐点で試してみたが、メモリー地点までの方角と距離がわかるだけでも道に迷う心配はぐっと減る。とくに今回は台風の影響で4号路の一部が倒木や土砂崩れで歩きづらくなっていたので、任意の地点に引き返すための指針があるのは非常に心強かった。

○スマホ連携でPRO TREKがさらに使いやすく

途中、寄り道しながらも順調に歩を進め、無事高尾山の山頂に到着! 山頂には高度を示す標識があり「599.15m」と記されていた。時計側の計測値を見ると「581m」。なかなかの精度だが、せっかくなので手動で補正しておくことにする。

手順は簡単。時計の右中央のボタンを2秒長押ししてスマホと接続したあと、アプリの「高度補正設定」の「マニュアル補正」に正確な高度を入れて「設定を時計に送る」をタップすればOK。再度時計を見ると、ちゃんと補正されていて気持ちがいい! ちなみに歩数や消費カロリーもアプリで確認できる。今回は思った以上に歩いてカロリーも消費していて達成感もひとしお。

こうした補正の簡単さ、記録の確認しやすさも、スマホ連携機能があるからこそ。ちなみにスマホが時計の近くにある場合は1日に4回自動で時刻を合わせてくれるので、普通に使っていればPRT-B50の時刻がずれることはまずない。時刻の自動補正は電波時計などでもできるが、マンションやビルだと電波の状態が悪くて受信できず時間がずれてしまうこともあるので、本製品のスマホを利用した自動補正機能は非常にありがたい。

もうひとつスマホ連携で便利なのが、「モードカスタマイズ」。PRT-B50は左下のボタンを押すたびに、気圧、温度、高度確認、日の出/日の入り、ストップウォッチ、タイマー、アラーム、ワールドタイムという具合にモードが切り替わるが、この並び替えや削除(非表示にする)をしてカスタマイズできるという機能だ。国内でしか使わないならワールドタイムを削除すればいいし、普段はアラーム機能をよく使うというなら、アラームを最初に持ってくればいい。

このように自分好みに育てられるのもPRT-B50の魅力だと言えるだろう。アプリのUIがわかりやすく、設定や操作がしやすいのも好印象。せっかく多機能な時計を持っていても使いこなしが難しくて機能を眠らせてしまうことはよくあるが、本製品のようにアプリ連携で時計が持つ機能を使いやすくできるのはスマホのうまい活用の仕方だと感じた。

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なお、今回は「ブラック」モデルを試したが、ほかにも「ブルー」、「オレンジ」、特別モデル(PRT-B50FE)となる「カーキ」の全4色が用意されている。いずれもカジュアルなシーンでも使えるポップな配色なのがうれしい。歩数計やロケーションインジケーター機能などは普段の生活の中でも役立つシーンが多いので、アウトドア派にはもちろんだが、そうじゃない人にもぜひおすすめしたい。