日本にはハグ(抱擁)は日常的に行う文化はありませんが、海外では友情・愛情・親密さを伝えるための重要なボディランゲージです。そんなハグにはストレスや葛藤が軽減されるという効果があるという研究結果が報告されています。

Receiving a hug is associated with the attenuation of negative mood that occurs on days with interpersonal conflict

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0203522

Consensual Hugs Seem to Reduce Stress - Scientific American

https://www.scientificamerican.com/podcast/episode/consensual-hugs-seem-to-reduce-stress/

カーネギーメロン大学の心理学者であるマイケル・マーフィー氏率いる研究チームは、「ハグをされた人がストレスと葛藤をよりよく処理できるか」を調べるため、404人の男女を対象に、2週間にわたって毎晩インタビュー調査を行いました。

このインタビューでは、「今日、誰かといて葛藤やストレスを経験したかどうか」「今日、誰かとハグしたかどうか」をイエス・ノーの2択で質問。また、食事や映画など、誰か他の人と行動を共にしたか、そのときの気分はどうだったかなども質問しました。

その結果、ストレスや葛藤を経験したと答えた人のうち、ハグをした人はハグをしなかった人よりもネガティブな影響を受けないということが判明しました。また、男性よりも女性の方がハグをする回数が多く、同時に葛藤やストレスを経験した日が多かったことが判明しましたが、研究チームによると、ハグによるストレス軽減効果の大小に性差は見られなかったとのことです。



また、ハグを受け入れた人は翌日にネガティブな影響を持ち越すことがなく、反対にハグを受け入れなかった人たちは翌日の精神状態にネガティブな影響が見られたという結果も得られたとのこと。

マーフィー氏は「今回の調査結果は、人々が苦しんでいる人をハグするべきだということを示すものではありません。職場の上司や見知らぬ人からハグされることは合意の上のものではありませんし、ポジティブなものでもありません」と警告しています。