iPhone XR予想外の不人気はダウンフレードなイメージのせい? カメラとディスプレイの差とは

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iPhoneの2018年モデルは、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRの3機種。
iPhone XS、iPhone XS Maxは、2017年発売のiPhone 10周年モデルであるiPhone Xの機能をアップしたモデルになります。
iPhone XRは、この2機種と比べても、ユニークなモデルとなっています。


iPhone XR


iPhone XRの一番わかりやすい特徴が、本体カラーです。
ホワイト、ブラック、ブルー、イエロー、コーラル、(PRODUCT)REDと、6色での展開になっています。
iPhoneでこれだけカラーの種類が出るのは、iPhone 5c以来となります。iPhone 5cでは、ブルー、グリーン、ピンク、イエロー、ホワイトの5色展開でした。

ノッチのある全画面ディスプレイは、iPhone XSの5.8インチよりも大きな6.1インチ。
CPUはXS / XS MAXと同じで最新となり、iPhone Xよりバッテリー性能もアップしています。

そしてiPhone初のデュアルSIM搭載が、2018年モデルの特徴としてあります。
通常のSIMに合わせて、eSIMという仕組みが採用されており、iOS 12.1へのアップデートから利用できるようになっています。
ただし、日本の通信会社では、まだiPhoneのeSIM対応は発表となっていません(2018年11月14日現在)。

このように、iPhone XRは、ポップなイメージのiPhone Xシリーズということで、発売前は人気が出るとの予想でしたが、現時点での人気は今一つのようです。

理由としては、iPhone XRは、iPhone XS、iPhone XS Maxと比べて、残念な点があるからと思われます。
一つは、搭載カメラがシングルカメラであることです。
ハイエンド、ミドルレンジでは、デュアルカメラがスタンダードになりつつありますので、シングルカメラであることが、製品のイメージを下げています。


iPhone XRはシングルカメラ


また、ディスプレイに関しても残念な点があります。
iPhone XSやXS MAXに搭載されている有機ELに対して、iPhone XRはHD液晶であるため、発色で劣ります。
また、解像度も低くなっています。
さらに、3D Touch非対応でHaptic Touchという仕組みになっています。
iPhone Xシリーズの特徴でもあるノッチのある全画面ディスプレイではあるのですが、額縁部分が広くなっているため、全画面ディスプレイの魅力も下がってしまいます。


iPhone XR(左)とiPhone X(右)のディスプレイの比較


このようにXSやXS MAXに比べると違いがあるiPhone XRですが、カメラやディスプレイの差を除けば、実用度としては十分高機能なモデルであることには変わりはありません。価格に比較して性能に満足できるため、実用性や動作の快適さを重視する人であれば、良い端末ではないでしょうか。

ただ、iPhone Xからの機種変更と考えると、カメラとディスプレイが性能的には下がったイメージを持つ人もいるでようから、従来のiPhone 8以前からの機種変更がお勧めかもしれません。


伊藤浩一