国会議員票はどうか。細田派内の隠れ進次郎シンパが耳打ちする。
 「こちらも、首相の楽勝の見立ては進次郎氏が出ない時点での皮算用。出馬すれば、進次郎氏が立ち上げた勉強会メンバー約30人が中心となり、そこへ各派閥からかなりの数が流れるのは確実。1回目の投票で石破氏が敗れると、参院竹下派も加わる。それだけ先々の首相、自民党に不安を抱いている議員が多いということです」

 こうなると、安倍首相サイドから見れば、岸田氏へのフォローを怠ったことで寝た子を起こしてしまうことになる。ただならぬ事態になりかねないと考えたか、菅義偉官房長官は岸田氏が不出馬を表明した同日、都内での講演で進次郎氏と河野太郎外相の名前を挙げ、「自民党と日本にとって極めて大事な政治家だ」と持ち上げた。また、進次郎氏については前日のBSフジの番組内でも「末恐ろしいぐらいしっかりしている」とも語っている。
 「その際、菅氏は『色んな発言をして批判を受け、経験を積んだほうがいい』とも付け加えていたが、つまりは“今は妙な気を起こすな”ということ。極太のクギを刺したわけです」(自民党関係者)

 岸田氏の敵前逃亡が、自民党真っ二つの始まりになるかもしれない。