子どものことで早退・時短勤務でも、ちゃんと評価される「仕事術」

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働くママは仕事をしながら子育てや家事との両立が大変。特に子どもが熱を出したときなどは、仕事に集中できなかったり、自宅に戻る必要があったり、休みや早退をしたりする必要があることも。

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そんなことを繰り返していると、職場の評価はガタ落ち…なんてあきらめていませんか?
実は、そんなときでも仕事術とコミュニケーション術があれば、仕事で評価されることもできるのです。

そこで今回は、女性のキャリア・働き方の専門家である毛利優子さんに、そのコツを教えていただきました。

こんなときはどうすれば? 職場へのスマートな対応法

働く未就学児を持つママにとって、次のようなことはよく起きるのでは? このような場合でも、職場から高い評価をもらえる対処法を毛利さんに教えていただきました。

朝、子どもが急に熱出した!職場へどう伝えるのがいいの?

毛利優子さん(以下、毛利)「職場へ連絡をする際は、突然のお休みについてお詫びすると同時に、急ぎで対応が必要なものがあるか、引き継ぎが必要なものがあるかを伝えましょう。

締め切りなどに余裕があって自分でフォローできる場合は良いのですが、業務に差し支えが出る場合は、あらかじめ『何を』『いつまでに』対応しなくてはいけないのか共有し、進め方を相談しておくと他のメンバーも安心です。

電話ですべてを伝えようとするとお互いに大変なので、休みの日でも重要事項を連絡できるように、一緒に仕事をする上司やチームのメンバーのメールアドレスやビジネスチャットツールのアカウントなどの連絡先を控えておきましょう」

子どものことで早退しなきゃ…。残りの仕事はどう対処すればいい?

毛利「子どもが小さい間は、保育園からのお呼び出しコールがつきものです。早退が必要になった場合は、1.業務の進捗状況、2.引き継ぎの有無を伝えましょう。

そのためにも、進捗状況や引き継ぎ用の書類フォーマットや業務のマニュアルは、社内の共有サーバーやスプレッドシートなどのクラウドサービスで共有しておくのがおすすめです。突発的なお休みのときでもスムーズに引き継ぎができるようになります。

逆に、重要な書類を自分のローカルのパソコンやキャビネットに置いておくと、引き継ぎがむずかしくなるので注意が必要です」

会社で仕事中、子どものことが気になって仕事に集中しにくい!どうすれば?

毛利「子どもが保育園に行きたがらない時期や子どもが体調をよく崩す場合など、仕事中でも子どものことが気になって思うように仕事に集中できないこともあるでしょう。

仕事と家庭のオンオフを切り替えるためにも、子育てを自分一人で抱え込まない環境づくりが大切です。『夫婦の家事・育児の役割分担を見直す』『両親のサポートをお願いする』など家族のサポート体制を考えるほか、一時保育のサービスやベビーシッター、病児保育サービスなど、信頼のおける外部の保育サービスも積極的に検討してみましょう」

いつも職場の人たちに迷惑ばかりかけている気が…。どうふるまえばいい?

毛利「ポイントは、『仕事で成果を出すことを意識する』『周りの人に感謝の気持ちを伝える』の2つ。常に感謝の気持ちを持ってチームメンバーに接し、貢献しようと働いている人なら、勤務時間の長さに関わらず、一緒に働きたいと思うはずです。

また、日本は『2025年問題』などの介護の問題も大きくなっており、時間の制約がある中で、生産性を上げて働くことは働くママだけでなく、組織全体の課題になっていきます。

皆さん一人ひとりの働き方がロールモデルになっていくので、『どうせ無理…』と諦めずに、勤務時間が短くても成果を出せる仕組みを考えてどんどん提案してみてください」

仕事術とコミュニケーション術のポイント

子どものことでいっぱいいっぱいなのはママであれば皆共通。そのような中、仕事術とコミュニケーション術があれば、評価される存在でい続けることも十分できるのです。そこで毛利さんに、それぞれのポイントを教えていただきました。

仕事術

毛利「仕事術のポイントは、『業務の見える化』と『共有』です。子どもが小さい間は、時間の制約や突発的なお休みが多いため、業務の属人化を避けることが大切。

『ファイルを共有サーバーに保存する』『担当業務のマニュアルを作成する』『スケジュールを共有する』など、業務や進捗をメンバーと共有できる仕組みを積極的に作りましょう。一緒に働いている人はもちろんのこと、自分も仕事が進めやすくなります。

また、仕事で評価を得るためには、まず自分自身が『労働時間ではなく、生産性の高さで成果を出すぞ!』と決めることが大切。短い時間でも成果を出すための工夫やアイディアを積極的に提案し、その結果を数字や具体的な周りの声として報告できると、より評価につながりやすくなります」

コミュニケーション術

毛利「これまでたくさんの働くママを見てきましたが、評価されているママの共通点はコミュニケーション力です。チームのメンバーが働きやすいように、報連相(報告・連絡・相談)を上手にしています。

社内の制度が整っていなくても、業務の進捗報告や業務の改善案など、働きやすい環境を自ら作っていくという意識が大切です。

また日頃サポートしてくれている上司やチームのメンバーには『〇〇さんのおかげで、〇〇の業務がとても効率的になりました』『〇〇さんが私の些細な提案などにも積極的に耳を傾けてくださって嬉しいです』など、感謝の気持ちを忘れずに伝えたいですね。

社内の人とコミュニケーションの時間がなかなか取れないと悩んでいる方には、ランチを一緒に食べに行くのもおすすめです」

ポイントは、しっかりと業務のことを共有し、報連相はもちろん、感謝の気持ちを伝えること。思ったよりも簡単にできるものですよ。働くママたち、ファイトです!

【取材協力】毛利 優子さん プロフィール

女性のキャリア・働き方の専門家。大学在学中に長男を出産し、人生初の就職活動から子育てを同時進行。監査法人就職後、ITベンチャー転職、そして起業。
「女性のキャリア・働き方」に関する情報を書籍や講演で発信する他、「働き方の多様化」の必要性を感じ、週1〜4回の出社でプロとして活躍できるCARRY MEのサービスに立ち上げから参画。現在4児の母。著書に『これで解決。働くママが必ず悩む36のこと』