羽生結弦、拾われていた“友情の肉声” 五輪公式公開「I can′t do it without you.」
国際友情デーに合わせ、ハビとの感動シーンの動画公開「オリンピックでの友情」
7月30日は国際友情デー。世界で多くのイベントが行われたが、スポーツの祭典「オリンピック」は平昌五輪のフィギュアスケート男子で連覇を達成した羽生結弦(ANA)に脚光。金メダル獲得後に銅メダルのハビエル・フェルナンデス(スペイン)との間で見せた友情シーンを公式ツイッターに動画で投稿し、実際に羽生が伝えた肉声メッセージを公開している。
「ユヅル・ハニュウとハビエル・フェルナンデスのオリンピックでの友情。国際友情デー」と記し、五輪公式アカウント公開したのは1本の動画だった。
平昌五輪の順位確定後、表彰台に上る羽生、フェルナンデスと宇野昌磨(トヨタ自動車)の3人が輪になり、リンクサイドで声を掛け合っている。その向こうには背伸びをしながら、感動的な場面をスマホで撮影するブライアン・オーサーコーチ。日本のファンの胸を打ったシーンだが、注目は羽生がフェルナンデスにかけた言葉だった。
至近距離で撮影していたカメラだから拾えた羽生の肉声の音声を収録している。互いに肩に手を掛け合いながら、一瞬だけボリュームが大きくなった。羽生の震える声を拾っている。
「I can’t do it without you.」――。
「僕は君なしでは(金メダル獲得を)成し遂げられなかった」と言った。その一言だけで2人は十分だった。羽生はフェルナンデスの胸に顔をうずめ、フェルナンデスもしっかりと羽生を抱き締めた。羽生は涙を堪えているようだった。
フェルナンデス「彼は偉大なレジェンドで、多くのことを学んでいる」
動画では「ハビエル・フェルナンデスが銅メダルを獲得したとき、ユヅル・ハニュウは涙を抑えることができなかった」と記し、羽生の感動のひと言を紹介。「彼らは完璧に互いを知ることはできなくても、何年間も同じリンクの上にいた。また彼らはリンクの外でも親友として知られている」と記している。
また、過去の羽生とフェルナンデスの2ショットを紹介しながら「彼らはオリンピックに向けてカナダでともにトレーニングを積んできた」と2人のコメントも伝えている。
フェルナンデス「僕らは長きに渡り一緒に練習してきた。どれだけの努力をしてきたかも分かっている。一緒に表彰台に上がることができて嬉しい。彼は偉大なレジェンドで、多くのことを学んでいる」
羽生「僕は金メダルを獲った時、ハビエルと泣いていた。なぜなら彼もメダルを獲っていたからだ。カナダで僕らはタフなトレーニングを積み、助け合ってきた。彼との時間がなければ僕はオリンピックでメダルが獲れなかっただろう」
なかでも、羽生がフェルナンデスにかけた言葉は、中継では肉声を拾えていなかった。今でも感動が甦ってくる、2人の友情シーン。それは、スポーツマンシップの模範ともいうべきものだった。(THE ANSWER編集部)