ヘリコプターに搭載できるサイズのレーザー兵器を開発するRaytheonが、自動車に搭載できる小型レーザー砲を開発しました。

Raytheon: Beam on - A wide range of counter-drone technologies comes of age

https://www.raytheon.com/news/feature/beam-on

Raytheon: The answer is the laser dune buggy - Agile, mobile and effective, this invention will protect troops from new threats

https://www.raytheon.com/news/feature/laser_dune_buggy

Raytheonの小型レーザーがドローンを撃ち落とす様子は、以下のムービーで確認できます。

Raytheon;s High-Energy Laser Weapon System Counters UAS Threats - YouTube

一部が鏡面になった球状の物体がRaytheonが開発する小型レーザー砲。



PolarisのMRZRというオフロードビークルに搭載可能だとのこと。



荷台に積み込まれたレーザー兵器。高エネルギーレーザー(HEL)と赤外線センサーやマルチスペクトルターゲティングシステムなどを一つのパッケージとして提供するとのこと。



回転できるレーザー砲は360度全方向を狙い撃てます。



空中を飛ぶドローンを発見。



標的をロックオン。



小型のHELシステムは、ドローンのように素早く動く物体を追跡することが可能です。



レーザーを照射すると……



ドローンがバランスを失い、撃墜されました。



レーザーは目に見えないので、一見、ドローンは風にあおられてバランスを崩しただけにも見えます。





高密度のレーザー砲によって、ドローンは破壊され飛行不能状態になり墜落しました。なお、トラッキングシステムにより落下していくドローンにも容赦なくレーザー攻撃が続けられているようです。



次に、ターゲットとなるドラム缶に狙いを定めて……



レーザー照射で破壊。



小型の市販のクワッドコプターを使った小型兵器が実戦投入され厄介な問題になり始めていますが、市販のドローンを撃ち落とすために1発数億円のパトリオットミサイルを使ったことが明らかになり、ドローンの迎撃のためのコストがかかりすぎると大きな批判を浴びました。

2万円のドローンを1発3億円のパトリオットミサイルで撃墜 - GIGAZINE



この事件を知ったRaytheonのトム・ケネディ会長は、手りゅう弾を積みこんで自爆攻撃をしかけてくるドローンを効率的に迎撃するシステムの必要性を感じ、すでにアメリカ軍と共同開発していたヘリに搭載できる小型のレーザー兵器の技術が応用できると考え、HELシステムを車体に積み込めるレベルまでに小型化しています。



Raytheonによると車両に搭載できるHELシステムはフットプリントが30平方フィート(約2.8平方メートル)というコンパクトさで、20〜30回のレーザーショットが可能だとのこと。さらに小型HELシステムを発電機と組み合わせれば、事実上、レーザー砲の回数制限はなくなるそうです。

ドローンなどの小型兵器を効率的かつ低コストで迎撃する手段としてレーザー砲は非常に有望であり、ヘリコプターや軍用車両だけでなく軍用艦などへの配備も期待されています。