20日放送、毎日放送「戦え!スポーツ内閣」では、サッカー元日本代表監督のイビチャ・オシム氏(77)がVTR出演。ワールドカップ(W杯)開幕2カ月前の監督解任劇を語った。

旧知の仲であるヴァイッド・ハリルホジッチ監督が解任されたことについて、オシム氏は「間違いなく、日本のサッカーにとって良い一手ではない」と断じる。

オシム氏は「ハリルはW杯出場という大きな役割と責任を請け負い、日本サッカー協会もそれを安心して任せていたはずだったが、特に外国人監督の場合、メディアもサポーターも、その人がどういう人物で何をしたいのかをもっと理解すべきだった」と続けた。

さらに、「この先、協会のトップは、監督になる人をもっとよく知り、また監督も、その国の習慣や長所・短所まで知らなければならない」と、今後への教訓も口にしている。

一方で、後を継いだ西野朗監督について、オシム氏は「偶然監督になったのではなく、それに値する人物」「功績をみて、十分代表監督に値する」と評価。「不満を持つ人間は必ずいる」としたうえで、「それは競争主義的な考え方に基づいていて、順調にいっているものを批判し壊すことで話題づくりをしたがるものなんだ」と指摘した。

「とても誠実で、過去にも結果にこだわるチームをつくってきた」西野監督は、「ほかのどの監督より、今の代表選手のことをよく知っている」というオシム氏は、「そんな監督がハズレであるはずがない」と太鼓判。日本人監督とあり「スタートが切りやすい」とも述べている。

そのうえで、オシム氏は、西野監督に必要なのは「支持されること」だと指摘。「日本のあらゆるサッカー関係者が彼のことを支持すべきだ。協会やメディアは、彼をどのようにすれば追い払えるかを考えてはいけない」とくぎを刺した。

なお、番組から、このタイミングで監督就任を打診されたら引き受けるか問われると、オシム氏は「ハリルホジッチの経験を見る限り、受けたくはないな」と答えている。