メンツを気にして食事代を1人で支払いたがる中国人には、どんなに親しい友人でも食事になるときっちり割り勘にする日本の習慣は、心が狭く、場の空気を悪くし、「メンツを気にする人にとっては悪夢」でさえあるという。(イメージ写真提供:123RF)

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 中華料理といえば円卓が定番だ。大勢でみんなの顔を見ながらにぎやかに食事するのが好きな中国人は、一緒に食事することで人間関係を円滑にするという文化を持っている。ビジネスでも、まずは一緒に食事をしたり酒を飲んだりして良い関係を築くことを優先している。

 日本人も気の合う仲間同士で食事や飲み会を開くが、中国とは異なる点があるという。中国メディアの捜狐は11日、日本では一般的な「割り勘」の習慣に関する記事を掲載した。中国人からすると「ケチ」に感じるが、そればかりではないと主張している。

 そもそも、中国ではどのように支払いをしているのだろうか。記事は、食事の後に1人が全員分を支払うのが慣例だと紹介。メンツも関係するため、中国人にとって支払いは譲れないもので、レジの前で誰が支払うかで争いになることも少なくない。そのため、どんなに親しい友人でも食事になるときっちり割り勘にする日本の習慣は、心が狭く、場の空気を悪くし、「メンツを気にする人にとっては悪夢」でさえあるという。結局のところ中国人にとっては、ケチだと思われたくないというメンツが何よりも重要ということだろう。

 では、日本の割り勘の文化はただのケチなのだろうか。記事は、割り勘が実に合理的であると紹介。みんなが同じお金を払い、皆と同じものを食べ、対等に話ができる利点があると伝えた。中国のように誰かがおごるという前提では、他人が高い料理を頼むのをはらはらしながら見ていたり、お金が足りるか計算しながら食べることになり、非常に疲れるとしている。また、誰かにおごってもらえば、次は自分がおごり返さないといけないが、これにも双方のメンツが立つように考えなければならず、「考えてみるとおかしな話」だと指摘した。

 食事1つとっても、日本と中国とでは考え方が大きく違うようだ。記事は、日本人はルールに従うのが好きだが、中国人は縛られるのを好まず、人間関係を重視する国民性が表れているのだろうと結論づけた。中国でも若い人を中心に割り勘が浸透してきていると言われる。どちらが良いとは言えないが、割り勘という習慣は非常に合理的で便利で楽だというのは確かなようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)