羽生結弦、色あせることのないハビとの絆 互いに生じる”ズレ″とは?
同門同士の羽生とフェルナンデスの関係性
平昌五輪のフィギュアスケート男子シングルで66年ぶりに連覇を達成した羽生結弦(ANA)。銅メダルを獲得し、スペイン史上初のメダルをもたらしたハビエル・フェルナンデスとの友情は深く知られるが、五輪公式サイトも、同じブライアン・オーサーコーチに師事する2人の特集記事を掲載している。
「フィギュアスケート界のスター、ハニュウとフェルナンデスが特別な絆を共有」
こう見出しがつけられた記事では「ユヅル・ハニュウにとって、五輪2連覇への道には多少の弊害があった。しかし、彼は最大のライバルとの永久不滅な友情に支えられていた」と、右足首の故障など五輪前に苦難に見舞われた羽生を支えた存在が、フェルナンデスだったとしている。
そして、それぞれが金、銅メダルを獲得した直後にリンクサイドで長い抱擁を交わしあった名シーンについて触れ、「それは、同じブライアン・オーサーコーチの元で戦うフィギュア界最大のスター同士の間で、何年も続いた競争を互いに労う愛情の表現でもあった」と伝えている。
「僕たちは同時に調子がよかったことはなかった。彼の調子がいいとき、僕の調子が悪い。それは自分にとって、向上するために懸命に練習に励み続けなければならないプレッシャーとなる。そして、僕が調子いいとき、彼の調子が悪い。彼はそれにより感情のぐらつきが生まれてしまうことだってある」
親友でありライバル、フェルナンデスは「互いを見合うだけで成長させることができる」
羽生の競技後の取材でのコメントも紹介し、2人の関係性を紐解いている。ライバルであり、親友だからこその配慮。そして刺激し合う関係が、互いにあったのだという。
そして、記事ではフェルナンデスのコメントも伝えている。「こうして言葉にする以上に彼に借りがあると思っているんだ。互いに違った形で支え合い続けてきた。話すことはなくても、互いを見合うだけで、互いを成長させることができる」
言葉を交わさなくても、そこに存在することが、互いにとってプラスになっていたようだ。
そしてあの抱擁のシーンに再び言及。互いに掛け合った言葉を明らかにしている。「君なしでは成し遂げられなかった」(羽生)。「ユヅ、僕たちには全てが備わっているんだ。だって、僕たちは友達であり、チームメートであり、そして、ライバルなんだから」(フェルナンデス)。最高の結果を残した美しき同門の絆。感動のストーリーは決して色あせることがないだろう。(THE ANSWER編集部)