画像提供:マイナビニュース

写真拡大

●台湾は将来数十店舗に

スシローグローバルホールディングスが2018年春に台湾へ進出する。韓国に次ぐ海外展開となる。台湾では将来数十店舗の規模を構想するなど大規模なものとなりそうだ。さらに2019年9月期までに台湾に次ぐ第3、第4のエリアへの展開も視野に入れており、同社の海外展開が本格始動しそうだ。

○韓国で培った知見を台湾へ

スシローグローバルホールディングスが成長ドライバのひとつと位置づけるのが海外だ。国内では新規出店を成長ドライバと位置づけるが、それもいずれは難しくなる。現在、韓国に複数店舗出店しているが、それ以外は手付かずの状態となっている。残されているのは海外というわけだ。そうした中、まずは韓国で培ったプライシング、立地に関する知見を台湾で活かす。

台湾1号店は台北中心部を予定する。現在は物件選定に入っているという。以降の店舗展開についてもスピード感をもって多店舗展開を図っていく。今期中に数店舗のオープンを構想しており、将来は台湾全土に数十店構える予定だ。

台湾は親日性が高く、寿司自体がポピュラーな食事として認知されており、ニーズの高さから出店を決めた。ターゲットは台湾内における中価格ゾーン。おおまかな価格設定としては、1皿150-300円といったところとなるようだ。

日本よりも価格が高いように見えるが、不動産物件の価格や原材料の調達などの観点から、「日本と同一のクオリティを出そうとすれば難しい面がある。一方で"うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。"というコンセプトは守りたい」とし、味へ拘った結果としておのずとターゲットゾーンが決まったようだ。

●第3、第4のエリアは?

○台湾に次ぐ海外店はどこに?

加えて、今期中には台湾に続く第3、第4の海外展開についても検討を進める。検討対象エリアについては「いくつかのシナリオを持っている」とし、具体的にはしていない。

しかし、今年7月(取材時点)に水留社長が本誌に語った海外展開の考え方を知れば、欧米への進出は考えづらいことが見えてくる。「米食」「生食」の両方が浸透した国への進出の可能性が最も高いと見られる。そうした国々では、欧米のように寿司が年1回食べるスペシャリティフードではなく、気軽に利用できるレストランという位置づけになるからだ。

台湾の進出計画をみても、中価格ゾーン、数十店規模と、多くの人に親しまれる味を目指していることは明らかだ。こうしたターゲットこそがスシローグローバルホールディングスの持ち味を生かせる対象となっていくだろう。

いずれにせよ、まずは台湾で成功を収めることが重要になる。くら寿司、はま寿司などがすでに台湾に出店しており、時にはライバルになることもありそうだ。日本で売上ベースでナンバーワンとなった同社ではあるが、台湾ではどのように受け止められるだろうか。台湾での成否が次なるエリア展開に影響も与えそうだ。