ギョーザやシュウマイ、春巻などのチルド食品を製造しているみまつ食品(群馬県前橋市)は、群馬県嬬恋村産のキャベツエキスを使ったサイダーを開発した。2017年7月8日から販売している。

なぜ、中華総菜メーカーがサイダーを開発することになったのか。Jタウンネットは、みまつ食品の担当者に話を聞いてみた。


キャベツサイダー(嬬恋産キャベツエキス使用)

パンやアイスも試したが、サイダーに

取材に応じてくれたのは、開発部長の古澤篤志さん。開発の背景には、ギョーザをつくる際に処分される外葉や芯といった硬い部分をなんとか有効活用したいという思いがあったという。

「ギョーザをつくるために、1日あたり約6トンものキャベツを使います。群馬県内を中心に農家さんとの契約栽培を行っているのですが、丹精込めてつくっていただいたキャベツをムダにすることなく、まるごと有効活用することはできないかと約3年の試行錯誤を経て、外葉や芯から濃縮キャベツエキスをつくることができました」

キャベツとサイダーという意外な組み合わせだが、ほかに候補はなかったのか。

「キャベツエキスを使ったパンやアイスも試作してみましたが、どれもピンとこなかったんです。悩んでいるとき、他県では県の特産品を使用した地サイダーがあるのに群馬県にはまだないことに気付き、意外な組み合わせも面白そうだと開発を進めました」

群馬県は国内有数のキャベツ生産地でもある。古澤さんはサイダーをきっかけに「群馬県といえばキャベツ」というのをより多くの人に知ってもらいたいという。

肝心の味は、一般的なサイダーに比べて甘さを控えめ。

「濃縮キャベツエキスは、素材本来の風味を損なわないような製法で時間をかけてつくっています。サイダーの爽快感とフレッシュなキャベツの風味を同時に味わうことができ、そのまま飲んでも、お酒と割ってもおいしいと思います」

このサイダーを飲んだ人によるツイッターの反応は......。

価格は、340ミリリットル入りで、230円(税抜き)。前橋市にある、みまつ食品の工場直売店「餃子工房RON」、やJR高崎駅の「群馬いろは」などで手に入る。

8月からは、東京・銀座にある群馬アンテナショップ「ぐんまちゃん家」でも販売予定。