CBS MarketWatchによると、22日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月物は、米国週間原油在庫の減少幅が予想と一致し、ガソリンと留出油在庫が増加したことで、2％近く下げ、前日比95セント安の1バレル＝58.09ドルと4営業日で最安値となり引けた。

　　米エネルギー省が22日に発表した米国週間在庫統計によると、6月17日までの1週間で原油在庫は160万バレル減少した。減少幅は市場の予想と一致した。API（米国石油協会）は、540万バレル減とさらに大幅な減少を報告している。ＷＴＲＧエコノミックスのエネルギー担当エコノミスト、ジェームズ・ウィリアムズ氏は、「原油在庫の例年通りの減少は予測どおり」としている。原油在庫の総量は3億2740万バレルで1年前より8％多い。ガソリン在庫は20万バレル増加し、総量2億1590万バレルとなった。留出油在庫は130万バレル増加した。APIのデータでは、ガソリン在庫は200万バレル増、留出油は81万2000バレル増となっている。ガソリン消費量は前年比で2.5％上昇しており、過去4週間の平均は日量935万バレル、留出油（ディーゼルと暖房油の合計）は前年比6.9％増の日量410万バレルとなっている。

　　ウィリアムズ氏は、原油在庫が例年のこの時期の在庫の上限よりも900万バレルも高い水準であることを指摘し、「市場は原油価格を60ドル台に保つ理由を見つけられなくなっている」と話した。ウィリアムズ氏は、「我々は、現在の高値を保っているのは世界的な余剰生産能力の欠如のみ、というところまで戻ってきた」、「在庫は十分にあり、石油価格はいつ10-15ドル下がってもおかしくないが、下落のタイミングを測るのは難しい」と語った。

　　週間在庫統計の発表後、石油製品価格は下落した。ガソリン7月限は前日比1.49セント（0.9％）安の1ガロン＝1.6125ドル、暖房油7月限は同0.71セント（0.4％）安の1ガロン＝1.6226ドルと、ともに続落した。【了】