これが第一シードの力！17安打12得点の圧勝で美来工科が好スタート

この日4打点を挙げた美来工科の平川

　上位、下位。どちらからでもチャンスを作り、どちらからでも点を奪える美来工科。その力を秋の初戦で見せつけた。

　初回、美来工科を象徴する新人大会首位打者の古謝 僚人がライト前ヒットで出塁する。続く神山 諒介は犠打失敗（二塁フォースアウト）に終わるもエラーが絡み二死一・三塁。ここで5番新垣 海斗がセンター前へはじき返して先制した。さらに美来工科は3回、一死から3番山川 倫輝と4番山内 慧の連続二塁打であっさり得点すると四球で走者をためて8番平川 輝がセンター前へ運び二者を迎え入れた。スイッチが入った美来工科打線はこれで終わらない。続く松田 快晴と古謝にもタイムリーが飛び出して大量5点をボードに刻んだ。

　下位に座る平川が4回にもタイムリーを放ち4打点を稼ぐと、4番に座る山内も3打点。上位から下位まで、まんべんなくうちまくり12得点でコールド勝ち。6イニングで17安打を集める圧巻の猛打だけではない。先発の山内が130km後半のストレートと、「新人大会が終わって関東へ遠征。そこで日大三高さんや関東一高さんに打たれた山内が、このままではいけないと思った。どうする？と話して新しい変化球を増やそうと。ここ一ヶ月でものにした」（眞玉橋監督）という100kmを切るドロップカーブが有効。ピッチングの幅を広げ5イニングを2安打5奪三振無四球。投打に隙が無い第一シードにふさわしい勝利で3回戦へコマを進めた。

　2回、4番田場篤のヒットを足掛かりに二死三塁とした南部工だったが、山内の前に三振に斬られると僅か3安打に教えられてしまった。この大きな差は簡単には埋まらないが、この冬で出来ることをしっかりやることが春に繋がると信じて頑張ってほしい。

（文＝當山 雅通）