鉄道の車両と飛行機の機体…。地上を走るか空を飛ぶかの違いはありますが、乗客をシートで運ぶのはいっしょです。ならば、それらを一体化して運用してしまおう…という意欲的な、飛行機にも鉄道にもなる「Clip-Air」のコンセプトが発表されました。
 

 
今回のClip-Airはスイス連邦工科大学の研究者たちが考えたものです。Clip-Airを飛行機として運用するとき、その機体は3つの客室と飛行機部分から構成されます。客席には乗客はもちろん、貨物や燃料を搭載することも可能です。そして、飛行機部分にはコックピットとエンジンが搭載されており、3つの客室を抱えて飛ぶことになります。その見た目はまるでB-2爆撃機のような、不思議な形状です。

そして客室部分は飛行機部分から切り離したあと、鉄道としてレールの上を走ることができます。また、車のように道路の上を走ることも想定されているようです。
 
このようなシステムにより、客室をまるごと交換することでの飛行機部分の運用効率の改善、また乗客も空港から街の中心部まで乗り換えをしなくてすむ、などのメリットが考えられます。例えるなら飛行機が成田空港に着陸したら、そのまま機体が東京駅まで移動してくれる感じでしょうか。そう考えると、確かに楽そうです!
 
研究者たちは、このような新機構の運送システムは「実現に40〜50年はかかるだろう」としています。また今後は5〜10年以内にプライベート機サイズの試作機を作成し、その後サイズを変更して試作機の開発を続けるそうです。このような特殊な機体を開発するにはそれなりにコストが必要な気もしますが、飛行機から街の中心部まで乗り換えなしで移動できるというコンセプトはなかなか楽しみですね!
 
Image Credit: Clip-Air
■This awesome plane-train hybrid could revolutionize transportation, but not for another 50 years
http://www.theverge.com/2016/7/9/12131254/clip-air-plane-train-hybrid-switzerland-transportation?utm_source=rss&utm_medium=rss