現在木星までもう少しの場所まで到達している、木星探査機「ジュノー」。そのジュノーの到着を先取りするかのように、ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLT(VLT)が木星の燃え盛るような写真を赤外線で撮影することに成功しました。
 
チリのアタカマ砂漠に設置されたVLTにはさまざまな観測装置が設置されていますが、今回の写真はその中でもVISIRと呼ばれる中間赤外線カメラで撮影されました。赤外線は雲やチリに邪魔されにくい性質があるため、今回の写真のように普段とは違った木星の様子を観察することができるのです。またその観察精度を高めるために、VISIRはマイナス250度にまで冷却されています。
 
今回のプロジェクトでは、VISIRはまず数千枚にも及ぶ画像を撮影しました。そしてその中から大気の影響の少ない「ラッキーフレーム」と呼ばれる写真を複数抜き出し、合成することで美しい画像が生成されたのです。
 
レスター大学のLeigh Fletcher氏は、「このような画像から、私たちは木星のエネルギー状態や物質の分布や移動を知ることができます。そしてそれは、今後探査機ジュノーが行なう20ヶ月に渡る木星の観察に役立つのです」と語っています。探査機ジュノーが今後、太陽系最大の惑星の姿をどこまで解き明かしてくれるのか、楽しみですね!
 
Image Credit: ESO/L. Fletcher
■”Lucky imaging” creates fiery composite of Jupiter
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