今人気の「エイジングビーフ」自宅で真似するのは危険!?

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食通の方なら「エイジングビーフ」という言葉をご存知ではないだろうか。「熟成肉」とも呼ばれ、お肉を特定の保存状況下で長期間に渡って熟成させる加工法のことを指す。熟成させることにより、酵素がタンパク質を分解して肉質が柔らかくなり、水分が蒸発することで旨味が凝縮される。もともとは欧米で赤身肉を柔らかく美味しく食べるための知恵として生まれたものである。

ここ数年、そのエイジングビーフが日本でも流行の兆しを見せつつある。長期間の熟成をアピールするステーキハウスなども目に付くようになった。最近では「家庭でも簡単に試せる熟成肉」というようなノウハウも多く見受けられるほど。今回、京都に本店を構え、日本各地に支店を持つエイジングビーフ専門店「ステーキハウス 听(ポンド)」の広報担当・竹村さんにエイジングビーフについて、また、家庭でそれを試す上での安全性についてお話を伺った。

■エイジングビーフは「安全性」が命

まずは竹村さんにエイジングビーフの魅力について聞いてみた。

「熟成させることで旨味が濃くなり、食感も柔らかく、脂のしつこさもなく、食べやすくなります。それをじっくり焼けば、余計な脂が落ちてさらにヘルシーに召し上がっていただけます。もともと、エイジングという技術はアメリカの赤身の肉を柔らかく食べるために生まれたものなので、和牛のようなサシの入った肉には向きません」(竹村さん)

旨味が強まり、柔らかくなり、と良いことづくめのようなエイジングビーフだが、熟成させる上での管理が非常に重要だという。

「何日にも渡って発酵させるわけですから、品質管理をきちんとして安全性に配慮する必要があります。現状、エイジングビーフには管理上のガイドラインが整備されていないのですが、普通の冷蔵庫で他の鶏肉や豚肉と一緒に保存してしまうと雑菌が移ってしまい大変危険です」(竹村さん)

■家庭で安易に真似をしないこと

ネット上で「自宅の冷蔵庫で試せるエイジングビーフ」というような情報をよく目にするのだが、その点について聞いてみた。

「熟成方法には『ドライエイジング』と『ウエットエイジング』というものがあります。乾燥させた状態で熟成させる『ドライエイジング』に対し、『ウエットエイジング』は放置したままの、『腐る手前が美味しい』とよく言われるような微妙なニュアンスのものとなります。冷凍せずチルド状態でアメリカから空輸された物もいわゆるウエットエイジングとなります」(竹村さん)

「ドライエイジング」には専用の「乾燥熟成庫」を使うこととなり、こちらは家庭で行うのは難しい。つまり、家庭で試そうと思うと「ウエットエイジング」になるのだが、それには危険性が伴うという。

「容易にやってしまうのはとにかく危険だと思います。肉を切る時のまな板にも、冷蔵庫にも雑菌がいます。そこに注意せずに長期間放置してしまうことで菌が繁殖する危険性がありますので、安全性には大きな問題があります。ご家庭では試さないでいただきたいです。自宅で熟成肉を味わいたい方は、ネット通販などですでに熟成されたものを購入し、購入後すぐに焼いて食べることをおすすめします」(竹村さん)

エイジングビーフは熟成の過程で2割ほども肉量が減る上、表面のカビ等をさらにカットする必要があるため、コスト的にも高価になるのだという。エイジングビーフを味わうならぜひ、品質管理にこだわった熟成肉専門店で召し上がることをおすすめしたい。

「教えて!goo」では、「柔らかく旨味が濃い『エイジングビーフ』を食べてみたい?」ということでみんなの意見を募集中だ!

取材協力:「ステーキハウス 听(ポンド)」

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

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