7日放送、テレビ東京「FOOT×BRAIN」では、ラグビー日本代表五郎丸歩がゲスト出演。「世界との距離の縮め方」をテーマに、ラグビーW杯で歴史的3勝を挙げた立役者の一人が、他のスポーツ競技も取り入れるべき練習法や考え方を存分に語った。

「真面目です。ラグビー馬鹿です」と自身のことを話した五郎丸。そのトークは静かな口調ながらもズバズバ本質をついたものだった。「こんなに世界との距離が縮まると思いました?」と訊かれれば、「それだけのトレーニングはしていましたね、世界一の」とキッパリ。4年前と比べて一番変わった点を訊かれれば、「プライドを持ったこと」と語った。

すると、W杯のアメリカ戦後、エディー・ジョーンズヘッドコーチから「国を背負うというプライドを4年間で持ってくれたことが一番嬉しい」と言われたという五郎丸は、「前にも記事で見たことあるんです。(エディー氏が)“プライドを持たせたい”って(言ってる)。スゴイ悔しくて。日本で生まれて日本人として育ってきて日本人のプライドを持てていないという、そのコメントがスゴイ頭きて」といったエピソードを明かした。

また、「W杯でいかにして勝てたのか?」というテーマについては、「必然ですね。ラグビーに奇跡はないんで」と言い切った五郎丸は、「世界一タフな南アフリカ。この選手達にフィジカルバトルで逃げなかったのが一番のキー」とズバリ。「フィジカルから逃げてしまうと戦えないですよね。ラグビーもサッカーもそうだと思うんですけど。日本人は小さいからっていう考えを捨てないとダメですね」と持論を展開した。

事実、筋力をつけてもスピードが落ちないよう徹底したトレーニングを行ってきた日本代表だが、その練習内容はただハードなだけではない。

「エディーヘッドコーチはタフな練習を要求してきますけど、8割、9割くらいのところで止める。もう限界というところのちょっと手前。そしたらまた明日もやらなくてはいけない。いいところで止める。その辺のコントロールは絶妙ですね」。

こう話した五郎丸は、その他にも「わざとミスをさせるトリックを色んなところにかける。例えば、ラグビーボールではなくサッカーボールを石鹸水につけてわざと滑りやすい状態でやったり、うまくいってるのにいきなり監督がキレはじめたり」といった日本代表ならではの練習方法を紹介した。

その理由について「ゲームと同じシチュエーション。ミスが続いてパニックになった状態を選手がどう打破するか。これが練習の中で常に組み込まれている」と説明すると、五郎丸は「全てのスポーツが取り入れていくべき練習方法」と断言した。