済美vs高知商

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ゾーン設定と「初球」で仕留めた済美、3年ぶり秋四国1勝!

5回裏済美二死から2番・上田 貴宏(2年・三塁手)大会第3号ソロアーチ

 1年間の対外試合禁止処分明け初公式戦の愛媛県大会を3位で通過し、安樂 智大(現:東北楽天ゴールデンイーグルス)が1年生エースでベスト4に進出した2012年以来の秋季四国大会出場を果たした済美。抽選会で初戦の対戦相手が高知商に決まると、乗松 征記監督は「厳しいですねえ」と苦笑いを浮かべた後、このように勝利への道筋を語った。

「左投手の攻略がポイントになるでしょう」

 それは高知商の大黒柱・盒 大(2年・投手・左投左打・170センチ67キロ・高知市立愛宕中出身)のことを指している。10月17日(土)の高知県大会準決勝・高知工戦にも訪れ、実際の投球イメージも植え付けていた乗松監督。そして選手たちに授けた策は・・・・・・。

「低めの変化球には手を出さず、外からボールコースにシュートする変化球も追い込まれるまでは手を出さないように」すなわち、振るゾーンの設定である。

 これに「愛媛県大会後も調整するようなことはなく、今まで通りしっかり振っていくことを心がけた」と2番・上田(かみだ) 貴宏(2年・三塁手・170センチ70キロ・右投右打・松永ヤンキース<広島・軟式>出身)が明かした練習と「初球からいくしかない」と7番・三浦 俊哉(2年・中堅手・右投右打・175センチ73キロ・西条少年野球団<ヤングリーグ>出身)積極姿勢が力として加わった済美は高橋攻略へ襲い掛かる。

 初回こそ二死からの3連打。最後は5番・田中 直哉(2年・三塁手・164センチ66キロ・右投左打・葛城ボーイズ<奈良>出身)の右前適時打で高知商に先制点を許したものの、2回裏一死一・二塁からの三浦が放った左翼線逆転二塁打。5回裏二死から上田がレフト芝生席に運んだ自身高校初、大会第3号のソロアーチ。6回裏一死一・二塁から試合を決める三浦の左越2点三塁打は、全て「初球・ベルトより上」を叩いたものだった。

 守っても済美は2回以降、愛媛県大会後にバランスボールを使用し身体の軸を正してきた菊池 怜雄(2年・左投左打・172センチ73キロ・宇和ボーイズ出身)が無失点に封じ、4年ぶりの秋季四国大会勝利を7回コールド勝ちで飾った。

 そして2回戦の対戦相手は、2年連続甲子園先発マウンドを経験している河野 竜生(2年・左投左打・173センチ71キロ・鳴門市第二中出身)ら好投手が待ち受ける鳴門。4年前の激闘を知る選手はいないものの、その時とはまた味の違った試合が展開されそうである。

(文=寺下 友徳)

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