東邦vs三重

写真拡大

全国屈指の右腕が躍動!

藤嶋健人(東邦)

 東邦は1回に1番・鈴木光稀(2年)がレフト線への二塁打で出塁すると、2番・霤萠斌(2年)が送り、3番・松本凌弥(2年)のタイムリー二塁打で先制。さらに一死一、三塁から5番・松山仁彦(2年)の犠牲フライで2点目を挙げた。

 エース・藤嶋 健人(2年)は、自己最速タイとなる146キロの直球に多彩な変化球を織り交ぜて9回を6安打1点に抑え完投。11年ぶりとなる秋季東海大会決勝進出を果たした。

 「良い守りができて、藤嶋も落ちついて投げられたと思います。変化球でカウントが取れるようになってきた。1点に抑えて勝ったのですから、100点満点。成長した秋になっている」と森田泰弘監督もエースで主将と選手たちを讃えた。

 先週日曜日(18日)の初戦で7回コールドゲームの参考記録ながらノーヒットノーランを達成した藤嶋。その後の一週間をキャッチャーの睫攴(2年)は、「特に変わった様子はなかった」とあくまで勝負は今週にある気持ちを話してくれた。この日の準決勝では4回に1点を奪われたが、終始落ち着いたピッチング。吠えることが多かった1年夏の甲子園とは違い、マウンド上でもクールな表情が多い。静かに闘志を燃やしている印象だ。ピッチングも大人びてきている。7回表の二死三塁と同点のピンチの場面。三重の代打で180センチ100キロの大型打者・上田祐摩(2年)が打席に立つと、直球ではなくスライダーで空振りを奪った。その残像を生かして、最後は146キロを計測した直球でファーストゴロに打ち取った。「配球はキャッチャーの睫擇貿い擦討い泙」と話した藤嶋。その睫擇蓮「スライダーを投げたのは、真っ直ぐを狙ってくると思ったからです。最後の直球はボール球でも良いよという感じで、実際にボール球を振ってくれました」と真意を語った。

 8回裏には、女房役である睫擇「藤嶋が疲れてきていたので、絶対打ちたいと思った」と貴重な追加点となるタイムリー。9回に備えてベンチ前でキャッチボールをしていたエースも「大きかった」と喜んだ。

 11年ぶりの決勝進出だが、チームの目標は東海大会を優勝しての明治神宮大会出場。エースで主将は「勝って神宮大会へ行きたい」と力をこめた。

 敗れはしたが、三重も見事な接戦を演じた。先発した背番号8の岩寛太(2年)は初回に2点を失ったが、2回以降はバックの好守備にも助けられて粘った。5回から二番手でリリーフした左腕・堀内大輔(1年)は100キロに届かない緩い球で東邦打線を幻惑。三番手の山岡健人(2年)も右アンダースローからクセのある球が光った。全国屈指の右腕を打ち崩すことはできなかったが、9イニング中6イニングで先頭打者を出塁させて形を作った。来年にどんなチームに成長しているかが楽しみである。

関連記事・2015年秋季大会特設ページ