新GALAXYはiPhone 6 Plusよりスリムに! 5.7インチなのに細く持ちやすい理由とは

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毎年9月はアップルのiPhoneを始め、ソニーのXperiaなど新機種の発表ラッシュとなる。
ところがサムスン電子は例年9月に行っていた新製品の発表会を一足早く8月13日に開催、他社に先駆けて2つの新製品を発表した。

今回発表された新製品は『Galaxy S6 edge+』と『Galaxy Note 5』の2製品。
このうちS6 edge+は日本でも3キャリアから発売されている『Galaxy S6 edge』を大画面化したモデル。一方のNote 5はペン内蔵の大型ディスプレイモデルで、日本でもこれまで歴代のモデルが発売されてきた。

最近では各社から大画面スマホが次々に登場している。今回発表された2モデルは「曲面ディスプレイ」「使いやすくなったペン」という特徴を持つが、どちらも基本性能は同等。5.7インチと大型のディスプレイを搭載した大画面スマホの最新モデルと言う位置づけの製品だ。

しかもこの2製品は、最近の大画面スマホが抱えている問題点を解消したモデルとして登場した。
どちらのモデルも5.7インチの大画面を搭載したスマホとは思えないほど、本体を持ちやすくスリムに仕上げた製品なのだ。

サムスン電子は2011年発売の『Galaxy Note』以降、他社に先駆けて大画面スマホの開発・発表を続けてきた。こうした影響で今や5インチ後半の大画面スマホはサムスン電子以外の各社からも登場する世界的なスタンダードになっている。
アップルも昨年秋には5.5インチのiPhone 6 Plusを発売し、大きな支持を受けている。

大画面スマホは映画や写真をより美しく見ることができるし、WEBやソーシャルサービスも大きな文字で見やすくなる。大画面スマホを使った人からは「もう小さい画面のスマホには戻れない」という声も多く聞かれるほどだ。
しかし大画面スマホにも大きな課題がある。本体サイズが大きくなるため持ちにくいことだ。

iPhone 6 Plusや大画面スマホはカバーを付けると、まるで小型のタブレットような大きさになってしまう。大画面スマホはこれまでのスマホのようにポケットに入れて持ち運ぶことが難しくなっているのだ。そのため普段はハンドバッグに入れたり、常に片手で持っている、という人も増えている。

だが今回のサムスン電子S6 edge+とNote 5は「大画面なのに持ちやすい」製品になっているのだ。

まずS6 edge+は、画面の両サイドが丸みを帯びた曲面ディスプレイを採用している。これにより側面部分は緩やかなカーブ形状となり、最薄部の厚みは本体の半分程度となった。
実際、手に持ってみると、手のひらに当たるスマホの側面部分の面積が少なく、5.7インチとは思えないほど細く感じられる。


曲面ディスプレイを採用したGalaxy S6 edge+。手に持ってみると5.7インチとは思えないほどスリムに感じられる


またS6 egde+は、ディスプレイ周りのベゼル部分も従来モデルより狭くなっている。5.5インチのiPhone 6 Plusの横幅は77.8ミリ。これに対してS6 edge+は5.7インチながら横幅は75.8ミリと、iPhone 6 Plusより2ミリも薄い。さらに曲面ディスプレイ効果で細さを強く感じることができるのだ。

とはいえ、S6 edge+のように曲面ディスプレイを採用できない機種もある。そこでサムスン電子が出したもう一つの回答がNote 5に採用した、裏面のサイド部分の曲面処理だ。

Note 5は普通のスマホと同じ平面ディスプレイを搭載している。ところが手に持ってみると5.5インチ、あるいはそれ以下のサイズのスマホかと思ってしまうほど細く感じられる。


Galaxy Note 5は裏側のサイドをカット、曲面仕上げにした


Note 5が細く感じる理由は、断面を見るとわかる。
Note 5は本体の裏側の両サイドがカーブ形状になっているのだ。つまり、サイド部分が削られている。
この形状が、スマホ本体を握った際のフィット感を高める効果になっている。Note 5は、まるで手のひらにくっつくような感触で持つことができるのだ。

今年になって発売された各社のスマホを振り返ると、5.5インチクラスの製品が当たり前になってきている。
大画面のメリットを感じる人も、スマホが持ちにくくなったと感じていることは間違いない。
これからもスマホは大画面化が進むだろうが、そうなればより持ちやすい製品が求められるようになっていくことは確実だ。
サムスン電子の2製品は、そんな大画面スマホを求める消費者ニーズを先取りした製品なのである。

今年後半もスマホの新製品ラッシュは続く。しばらくは大画面化も一つのトレンドになっていくだろう。いずれはGalaxy S6 edge+やNote 5の「曲面仕上げ」のような、大画面と持ちやすさの両方を競う時代がやってきそうだ。


山根康宏