顧客満足度はauがダントツ――。顧客満足度の調査・コンサルティング専門機関J.D.パワー アジア・パシフィック(本社・東京都港区、蓮見南海男社長)が9日発表した携帯電話サービス満足度調査で、auが3年連続してナンバーワンになったことが分かった。同時に発表された携帯電話端末の満足度では、カシオがシェア上位のメーカーを抑えてトップになった。

 調査は、全国の携帯電話の個人利用者を対象に、サービスの満足度を調べるもので、毎年1回行われている。8回目の2006年は、沖縄を除く全国を北海道から九州まで9地区に分けて、8月に調査を実施し、7500人から回答を得た。

 地域別の総合満足度ランキングでは、今回初めて9地域すべてでauが1位となった。測定基準となる6つのファクター別評価についても、大半のファクターで地域を問わず他社を上回ったが、特に「通信品質・エリア」に対する評価が高かった。音楽関連機能やワンセグなど、消費者の興味や関心が高いサービスに注力し、機能や普及率で他社を先行したことが高い評価に結びついているものと調査結果は分析している。

 ドコモは9地域すべてで2位にとどまった。これまで比較的低かった「各種費用」に対する満足度では、他社との差を着実に縮めている。FOMA利用者の通信品質に関する不具合経験も大幅に減少しており、ここ数年顧客満足で優位を保つauを追撃する体制が整ったといえる。

 全地域で3位だったソフトバンクモバイルは、「各種費用」についてはauに次いで満足度が高かったが、「通信品質・エリア」と「企業イメージ」では上位2社との差が開く傾向が見られた。

 サービス満足度調査の結果から、端末購入後1年以内のユーザーを対象に行われた携帯電話機メーカーに対する満足度調査(回答者3187人)では、主要電話機メーカー11社中、カシオが656ポイント(1000点満点)で05年に続き2年連続1位となった。カシオは、顧客満足度を構成する8ファクターのうち「バッテリー」、「基本操作性」、「メール」、「カメラ」の4つで最も高い評価を得た。

 2位の三菱電機(636ポイント)は、「デザイン・サイズ」と「ディスプレイ」でカシオを上回わり、昨年の6位から大きく順位を上げた。3位はソニーエリクソン(631ポイント)、4位は昨年8位だった日立(622ポイント)が入った。
 
 今年の調査結果では、多機能と操作性のカシオ、大画面の三菱、音楽機能のソニーエリクソンが上位を占める一方、シャープ、NEC、パナソニックなどシェアが高いメーカーの評価が低調となり、従来以上にハッキリと明暗が分かれた。

 *市場構成が異なるため、沖縄は調査対象に入っていない。【了】

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