衆院本会議で23日、各党の代表質問が始まった。民主党の前原誠司代表は、今国会を「安全国会」と位置づけ、住、食、交通などの安全を重点的に論戦を進めると強調。耐震強度偽装事件について、「無原則に『官から民へ』を推し進め、公の責任まで自民党が放棄した結果」などと指摘。ヒューザーの小嶋進社長の再喚問と、伊藤公介元国土庁長官、安倍晋三官房長官の秘書の証人喚問、参考人招致を求めた。

 小泉純一郎首相は、居住者の安全を最優先し、関係者の責任追及により事件の全容解明を図るとした上で、「建築確認制度を総点検し、見直しが必要なものは制度化する」と述べた。伊藤元長官や小嶋社長の証人喚問に関しては、「国会で討論するもの」と述べるにとどまった。また、安倍長官は、小嶋社長との面識について「まったくない」と否定。秘書についても「国交省への働きかけなど問題ある行為は一切ない」と説明し、参考人招致は必要ない、との見解を示した。

 ライブドアの証券取引法違反事件では、前原代表が「小泉改革によって、企業はマネーゲームに奔走し、公正なルールや企業人としてのモラルが失われつつある」と批判。また、先の総選挙で自民党が、同社の堀江貴文社長に対して党公認こそ出さなかったが、「武部氏や竹中氏が選挙区入りし、公認以上の支援をした」と指摘し、「道義的な責任は免れない。首相は謝罪すべきだ」と迫った。

 それに対し、小泉首相は「捜査が行われている最中で、見守りたい。違法性があれば厳正に対処すべきことは当然」と述べたが、「選挙応援とは別の問題だ」とかわした。

 また、前原代表は、輸入再開からわずか1カ月で再停止になった米国産牛肉問題について、「政府は日米関係を優先し、国民の生命と健康をないがしろにした」と語気を強め、米国から安全の担保がなければ再開すべきでない、と迫った。 小泉首相は「輸入再開には(米国側の)ルールの順守が必要」と述べ、米国に原因究明と再発防止を求めている、とした。【了】

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