東京・世田谷で開かれている企画展「地図と写真で見る日本の空襲」では、50メートル x 38メートルのアジア・太平洋地域の衛星写真が床一面に敷かれている。(撮影:吉川忠行)

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日本国内の空襲による被災状況を示す地図や航空写真などを展示した企画展「地図と写真で見る日本の空襲」(日本大学文理学部主催)が、東京都世田谷区の同学部百周年記念館で開かれている。24日まで。

 会場には、全国各地の空襲前後の写真や地図約440点が展示されており、今回が世界初公開となる米国国立公文書館所蔵の航空写真も15点含まれている。空襲後の地図は、戦後日本政府の第一復員局が作成したもので、日米の資料で空襲の惨状がわかる。また、米軍の爆撃機B29が投下した爆弾の種類や量を示す資料も添えられている。

 同記念館の「ニューアリーナ床」には、50メートル x 38メートルのアジア・太平洋地域の衛星写真が一面に敷かれており、来場者は戦場となった地域の広がりを体感できる。ロビーには同記念館周辺の衛星写真も展示されており、同学部の井村博宣助教授は「衛星写真で空間と地形を体験して欲しい。訪れた方が子どもや孫、学部の学生と世代を超えた会話をする場にもなれば」と、床全面に敷き詰められた衛星写真への思いを語った。

 同学部の島方洸一学部長によると、文理学部では先の大戦で、東洋最大の軍需工場といわれた愛知県の豊川海軍工廠(こうしょう)で、6人の学生を亡くしていることが、今回の空襲展を開催するきっかけとなったという。隣接する図書館の展示ホールでは、愛知県豊川市と共催で、豊川市資料館の資料を展示した「豊川海軍工廠展」も開かれている。

 開館時間は午前10時から午後5時(最終日は午後4時)まで。12日は展示物入れ替えのため休館。入場無料。問い合わせは同学部庶務課(電話03-3329-1151)まで。【了】

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