先延ばしされたXperia Z4に期待するものとは何か?「4」シリーズ初はXperia E4で発表

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日本国内で人気のスマホといえば、iPhoneとXperiaだ。現在の最新機種Xperia Z3は、iPhone同様に大手3キャリアから発売され、国内でも多くの利用者がいる人気スマホだ。
当然、次期モデルXperia Z4にも、多くの人が関心をもっている。

2月10日、ソニーモバイルコミュニケーションズはXperia Z4ではなくミドルレンジの、Xperia E4を発表した。E4は、昨年9月に発表したXperia E3の後継機種に当たり、2月中旬にグローバル市場向けに発売するモデルだ。

例年だと、Xperia Z4が発表される時期ということもあり、Xperia Z4の発表を期待していた人はちょっと肩すかしを食った感じだろう。

「4」シリーズ初モデルはXperia E4となり、Xperia Z4の発表は先に伸びたので、Xperia Z4について期待と課題をひもといてみようと思う。


●ミドルレンジのXperia E4は、丸みを帯び、タフネスバッテリーが特徴
Xperia E4は、Xperia Z3をコンパクト化したような前モデルE3と比べると丸みを帯びたラウンドフォルムデザインとなっている。さらに特徴的なのがバッテリーもちで、2300mAhのバッテリーと省電力機能「Battery STAMINA Mode」によって約2日というバッテリー持続時間を実現している。また、セルフィー(自分撮り)のためにフロントカメラを200万画素とし、新興国向けにデュアルSIMモデルも用意される。

●現在のXperia Z「3」シリーズの課題とは何か
Xperiaユーザーと話をすると、Xperiaシリーズに期待をしているのは「ソニーらしさ」という声を聞くことが多い。だが、ソニーらしさとは、そもそも何であろうか。

ユーザーが求めるソニーらしさとは?
1つには、AVメーカーとしてのソニーの技術力だ。
「WALKMAN」で培った音楽再生機能、「サイバーショット」と「α」シリーズで培ったカメラ機能、BRAVIAなどで培った映像再現機能。
Xperiaには、こうしたソニーの世界有数のAV技術に対する期待があるのだろう。

2つめは、ソニー製品の連携だ。これまでソニーは、テレビやカメラ、ゲーム機など、ジャンルの違う製品を独自のネットワークやサービスで繋げて活用できるようにしてきた。
ソニー製品でそろえれば、ほかのメーカーよりも面白い、便利な機能やサービスが使えるという期待がそこにはある。
たとえば、ソニーのテレビBRAVIAとブルーレイレコーダー、プレイステーション4との連携、レンズ付きカメラとスマホの連携などだ。

ソニーは、現在でもこうした「ソニーらしさ」の実現にチャレンジを続けている。しかし、ユーザー側からみれば、まだ不十分なのかもしれない。

だが、これら以上に期待しているのが、新しいイノベーションとしての「ソニーらしさ」だろう。1979年のウォークマン、1999年のAIBOなど、時代のエポックメイキングな製品を、Xperiaにも求めているのではないだろうか。

●高性能を求め続けるのか?Xperia Z4
世界のミドルクラス市場をターゲットにしたXperia E4は、市場ニーズにあわせたラウンドスタイルへのデザイン変更とバッテリーもちの改善、セルフィー機能を強化している、
このような変化は、新しいXperia Z4も影響はあるのだろうか。
それとも、これまでのZシリーズのスタイルのまま踏襲していくのか、気になるところだ。

もし、これまで通りの性能を求めていくとすれば、Xperia Z4の課題とは、どのようなものになるのだろう。
現在でも満足度が高いと言われるXperia Z3でも、ディスプレイのさらなる縁狭化やVoLTEの非対応など、まだ多くの不満点をあげるユーザーもいるようだ。

・ベゼル幅が左右の薄さに対し、上下が広い(他社製品と比べ)
・ディスプレイ解像度が1920×1080のフルHD
ARROWS NX F-02Gなどは解像度2560×1440のWQHDディスプレイ
・発熱によるカメラ機能(4k動画撮影時間など)の制限
・高機能・多機能だが、制限や複雑になったカメラ機能。
 2070万画素での撮影は「マニュアルモード」のみ。
・手軽な「プレミアムおまかせオート」は800万画素になる
シーンセレクト、HDR撮影なども「プレミアムおまかせオート」で800万画素になる
・キャップレス防水の非対応
・マナーモードがワンタッチで切り替えできない
・ハイレゾ音源対応のイヤホンが別売り(同封されていない)
・歴代モデルで人気の本体色の紫がない(海外版は後で追加されている)


先延ばしされたXperia Z4の発表は、今年の夏以降とも言われている。
果たして、次期Xperia Z4は、どこまでユーザーの期待に応えてくれるのだろう。


甲斐寿憲