振り返れば、昨年のJリーグのベスト11も「日本人のみ」だった。これはメディアではなく、選手が選ぶものだが、11人の中に入るべき外国人選手は確実にいた。新潟のレオ・シルバ等は、その代表格になる。Jリーグのレベルを大きく超えた実力派と言っていいが、ベスト11に選ばれないどころか、その凄ささえもほとんど紹介されていない現実がある。

 かつてはこれほどでもなかった。有名選手が多かったこともあるが、もう少し温かく外国人選手を迎えていた。彼らはメディアにもよく登場した。

 宇佐美を前面に出した方が数字を稼げるから。遠藤、今野の代表組を前面に出した方が、全国的な関心を得やすいから。排他的になる理由は、そうした商売上の都合だけなのか。根っから冷たいのか。排他的なのか。理由は定かではないが、メディアに問われるのはバランスだ。それこそが生命線だ。パトリックの名前を、1番に出さなくてもいい。2番でなくてもいい。だが、3番目にも入らないとなると、これはどうかしていると言いたくなる。数字優先の民放のみならず、NHKまでこのノリで報じる姿は、世界的に見て恥ずかしいと言わざるを得ない。

 最近では、ヨーロッパサッカーの話題はと言えば、もっぱら日本人の話題で占められている。本田、香川、岡崎……。報道は「JAPANESE ONLY」に成り下がっている。それはそれで知りたい情報ではあるが、メディアとして伝えるべきものは、他にもあるはずだ。日本サッカーが伸び悩む最大の原因だと見ている。世界と戦う競技なのに、外国に興味を抱けない。内輪で盛り上がろうとする気質を改めない限り、世界から置いてきぼりを食う。僕はそう思うのだ。