2014年に創刊40周年を迎えた少女漫画雑誌「花とゆめ」（白泉社刊）の記念イベント『花とゆめ★アニメ祭』が9月28日（日）、品川・インターシティホールで開催された。

会場には「花とゆめ」で連載をしていた、また連載を続けている豪華作家陣による描き下ろし色紙やTVアニメ化され話題を呼んだ「それでも世界は美しい」、10月7日（火）から放送開始の「暁のヨナ」、第2期の制作も順調な「神様はじめました」のアニメ設定資料などが展示。メインキャラクターの等身大パネルや作品をイメージしたセットも用意されており、多くの来場者が記念撮影を行うなど大いに盛り上がっていた。

なかでも来場者を喜ばせたのは、声優陣が出演するステージイベントだ。ここでは『「それでも世界は美しい」ニケ、急にうたうよ〜？SP』の模様をお届けする。



約500人のファンが待ち受ける中スタートしたイベントの幕開けは、ヒロイン・ニケ役の前田玲奈さんのライブだ。アニメの挿入歌『アメフラシの歌〜Beautiful Rain〜』を透き通るような歌声と圧倒的な歌唱力で歌い上げ、観客を作品の世界へと導いていた。2番からはリヴィウス一世（リビ）役の島��信長さんも登場し、なんとデュエットを初披露。ふたりの温かく優しい歌声が響き渡り、観客からは大きな拍手が贈られていた。


歌が終わるとリビの首席秘書官・ニール役の杉田智和さんもステージへ。自前というニールのコスプレ姿で登場した杉田さんは「ふたり（前田さんと島��さん）は歌うから、僕は自分のできることをしっかりやろうと思って」と、その衣装を着てきたとのこと。

イベントの司会を担当するニッポン放送・吉田尚記アナウンサーにもつっこまれつつ、ここからはイベント特別コーナーが展開。まずは前田さん、島��さん、杉田さんが選んだという名場面ベスト3を解説付きで紹介する『それせかシーンベストリクエスト』コーナー。


島��さんが選んだ「ニケの感動シーン」では、「仲直りのためのアメフラシ」（第8話より）、「傷だらけでリビへの想いを口にするニケ」（第10話より）、「ババ様の歌を訳すニケ」（第12話より）を映像とあわせて振り返ることに。

各話のストーリーやアフレコ現場での思い出とともに振り返っていると、前田さんと島��さんがかなり似た性格であることが判明。「根底がまじめなところはふたりとも似ている。相性のいい組み合わせ」と杉田さんが言うと、吉田アナが杉田さんの一歩引いた発言やコスプレを見ながら、「今日はニケとリビの結婚式みたい。これ（映像）も結婚に至るまでのふたりを振り返っているみたいだし、杉田さんが媒酌人に見える」とコメント。それには観客も3人も大爆笑だった。

前田さんが選んだ「リビの恥ずかシーン」では、リビにとってどれだけ恥ずかしいシーンだったか、パーセンテージをつけて振り返っていた。恥ずかしいレベル20％として「地下神殿を抜け出してニケに抱きつくリビ」（第5話より）、恥ずかしいレベル70％として「まさに赤面！のリビ」（第9話より）、そして恥ずかしいレベル200％では「やだね、するまで起きない」（第3話より）を紹介。リビ同様、島��さんが「このコーナーはとんだ羞恥プレイですね」と照れている様子が印象的だった。


コーナーの最後は、杉田さんが選んだ「ニールの七変化シーン」。王に仕える秘書官ということで、選ばれたシーンの多くはリビの部屋を訪れる場面やニケにリビの本心を伝える場面など、ふたりを繋ぐために一役買っているものばかり。

まじめであり、ときにお茶目なニールの姿に笑いが漏れつつも、最後に紹介されたのは第10話に向けた予告でニールが歌う（？）場面。「台本には歌うという指示があったんですけど、それを避けるために『2階席〜！』と言ったんです」と杉田さんがアフレコ秘話を語ってくれた。


ステージのラストでは前田さんがアニメのエンディングテーマ『PROMISE』を披露。「たった1人の大切な人を思って歌う歌です」と話していたように、前田さんの想いが伝わるような歌声に観客は酔いしれていた。イベントの最後には3人からファンへメッセージが贈られた。


前田さんは「みなさんにお礼が言いたいです。『それせか』を好きになってくれてありがとうございます。アニメが終わって寂しかったですけど、このようなイベントで歌えて幸せです。ニケの歌はみなさんの心に届きましたか？ニケの歌は大地を濡らす雨ではなく、人の心を潤す雨です。心が渇いたときにはニケを思い出してほしいです」とコメント。

杉田さんは「そういえばBlu-ray＆DVDBOXが発売中です。いいね〜ちょうどまとめて見たかったので。特典には歌がついています。音楽はすばらしいですよね。あとドラマCDも収録しました（※原作コミックス8巻の初回限定版）。ニールがあんな使われ方をするとは……いいぞ、もっとやれ！」と、Blu-ray＆DVDBOXやドラマCDの宣伝をしつつ、ニールの登場シーンを期待させる発言で会場をわかせていた。

島��さんは「放送が終了して3ヶ月経ちましたが、こうやってみなさんの前に立てて幸せです。王道を王道として作っているのが『それせか』です。見ている人に後悔をさせません。またみなさんの前に立てることを切に願っています。原作共々、アニメの応援をよろしくお願いします」と話し、ステージを締めくくった。



©椎名 橙・白泉社／王室会報誌編集部