「上層部が内々に“『報ステ』はあと1年で終わる”と周囲に申し伝えていると聞く。早ければ来春にも終了させる可能性がある」(番組関係者)

 ’04年4月に始まった『報道ステーション』。古舘伊知郎(59)がキャスターを務める名物番組の裏側で何が起こっているのか。まず思い当たるのはあの大問題だ。

 8月5日にテレ朝の大株主・朝日新聞に掲載された従軍慰安婦検証記事。『報ステ』では1カ月以上経過した9月11日になってようやく“検証番組”を放送した。『報ステ』関係者は語る。

「局内からの指摘を受け、番組内でも極秘裏に慰安婦問題の検証企画は進んでいた。ただ、上層部や朝日新聞の意向を酌まざるをえず、放送がしばらく見送られていたのが実情だった」

 古舘は11日放送の検証番組で原発問題では「吉田調書に関して、どうしてここまでの誤報になったか、きちんと説明してほしかった」、慰安婦問題では「もうちょっと謙虚に謝罪してほしかった」とコメント。メディア論を専門にする上智大学の碓井広義教授は言う。

「ピリッとしない検証VTRでした。古舘さんの言葉とVTRの内容に温度差を感じました。古舘さんは朝日を批判する一方で、検証番組では経過説明に終始していました」

 古舘とテレ朝サイドとの間で、今回もなんらかの衝突があったのだろうか。

 さらに、衝撃の事実が発覚した。『報ステ』ディレクターで原発担当のI氏が8月末、自宅の3階で練炭自殺をしていたという。前出・『報ステ』関係者によると……。

「Iさんはとても正義感が強い人で、権力からの圧力をいちばん嫌っていた人。原発問題ではその後の福島がどれだけ危険か、現地で徹底的に取材をしていた。だが、もともと東電は『報ステ』のスポンサー。“反原発”企画が通りにくい現状に不満を抱いていた」

 I氏の自殺と『報ステ』来春打ち切りについて、テレ朝と古舘プロジェクトに質問状を送ったところ、テレビ朝日広報部が代表してこう回答した。

「当社の番組にとって大切なスタッフを失い、残念でなりません。心よりご冥福をお祈りいたします。また、『報道ステーション』の存続やキャスターの降板に関しては、ご指摘のような事実はありません」

 だが、前出・番組関係者はこう言う。

「明らかに古舘も局サイドに不満があり『もうやめたい』と漏らしていた。11年ぶりに単独トークライブを再開するのは、『報ステ』後を考えた“就活”ともいわれている」

 古舘がいまだに強く意識する久米宏が『ニュースステーション』を降りたのは59歳だった。古舘は今年12月に還暦を迎える――。

(週刊FLASH9月30日・10月7日号)