――日本の代表監督を引き受けるにあたり、日本のどこに魅力を感じて決断したのか。また、日本を強化するうえでのポイントは?
 
「日本のオファーがとても真面目で、つまり真摯な内容だったので魅力を感じました。とにかくロシアを目指して頑張りたいといったニュアンスでしたし、プロジェクトとして大きな魅力を感じたんです。日本協会の方には、南アフリカ・ワールドカップの時も声を掛けて頂きました。そしてまた4年後にもオファーを頂いた。これは、自分のことを真面目に考えてくれている証です。
 日本は、メキシコのプレースタイルに似ていると感じます。たとえばボールのハンドリングや、バランスの考え方、そして守備に力を入れること。ですので、自分は守備を固めて勝利を目指したいと思っていますし、それを目標にしています。ただ、ここでも言いたいのは、“ボール”というものの重要性。ボールは、どこに行っても、どんな状況でも必ず選手の前にあるものです。ですから、ボールを共通語にして、選手の間で競争力を伸ばしていってもらいたいです」
 
――この4年間のテーマをキーワードにすると?
 
「スペイン語を日本語に訳して伝わるかどうか分かりませんが……。とにかく、“コミット”したい」
 
――メンバー選考にあたり、どこをポイントとするのか。欧州にいる選手の視察など、選考過程も含めて。
 
「とにかく、自分で実際に見ることを重要視したいと思います。つまり、すべてのプレーヤーに対して、『ドアは空いている』と申し上げたい。国内外問わず、すべての選手です。とにかく見る、オブザーブしてその選手の技量を分析したい。また試合だけでなく、それ以外の時にどんな行動を取るかを含めて見ていきたい。
 選手選考には、やはり時間がかかります。次に誰かが呼ばれたからと言って、その選手がずっと代表チームにいるわけではない。試合を通してプレーを観察し、最終的なチームを作り上げたい。直近の公式戦であるアジアカップに向けて、選手を見極めていきたい」
 
――『守備を重点的に』と言ったが、理想のDF像は? スピード? 技術? 強さ? どこを重視する?
 
「ディフェンスというよりも、バランスを重視したいと思います。守ることも攻めることもできる、そんなバランスの取れた選手を求めています。攻守両面をこなせる選手です。守れることは重要です。つまりはボールを奪うこと。そして奪ったボールを的確に扱って上がっていくことが重要です。守るというのは、守備陣だけの話でありません。FWやMFにも同じことを求めたいんです。相手からボールを奪い、その試合で目指すことに貢献できるかが大事。イレブン全員、GKを含めて全員が守れて攻められる。そんなチームを目指しています」
 
――選手に厳しく対応するタイプの指揮官だと聞いているが、そのスタンスは変わらないか? また、“ザックジャパン”のように、どんな愛称で呼ばれたいか?
 
「非常に秩序立っているとは思いますし、真面目に取り組んでいきたいと思っています。ネーミングはみなさま次第ですが、私は“サムライブルー”という呼び名を気に入っています」
 
――守って攻められるチームを作るために、どんなフォーメーションを考えているか? ワールドカップでは3バック、5バックが目立ったが、日本は4バックで臨むことが多かった。それと、あなたの名前はアギレ? アギーレ? どう呼べばいいのか?
 
「私の名前は、ハビエル、アグィッレです(笑)。フォーメーションに関しては、試合の展開によって変化します。バックスが3人、4人、5人の時もあるでしょう。試合の状況に応じ、4-3-3から5-2-3に変化する場合もあるし、他の形にもなるでしょう。トップが2人ではなく3人になるかもしれません。状況に応じてフレキシブルに考えていこうと思います。ただ、基本は4-3-3を考えています。もちろん、展開によっては3-4-3になったりもします。とにかく選手の状況、試合の展開によって変えていきたいですね」