家族連れにカップル、仕事帰りのビジネスマン……連日多くのお客が列をなす回転寿司はまさに外食産業の王様。今回は、全国4千店以上の回転寿司を食べ歩いた日本で唯一の回転寿司評論家・米川伸生さんに、回転寿司の「いい店と悪い店はここで見る!」を教えてもらいました。

回転寿司が誕生して56年。当初は「そこそこの味をお手軽に」だった。しかしロボットの導入、遠方からの産直を可能にした流通の革新などで、「このおいしさが、この価格で!」と驚かされるまでに進化。さらに今、特に首都圏の回転寿司のレベルを上げているのが、北陸と北海道で人気の回転寿司店の出店だという。

「金沢と北海道の回転寿司店は元々、味、サービスなどのレベルが高く、旅行の際わざわざ食べに行く人も少なくないほど。その両エリアから近年、相次いで首都圏への出店がありました。ともに海鮮の鮮度は抜群。金沢からの店は高級感があり、熟練の職人によって握られ、札幌からの店は北海の幸が低価格で楽しめるとあって大人気。首都圏の人気店もうかうかしていられない状況なのです」(米川さん・以下同)

こうして今、回転寿司業界は激戦状態。それでは、店の実力をどんな品で見極めればいいのだろう。やはりマグロ?

「高級寿司店は仕入れるマグロで差がつきます。しかし、回転寿司ではみんなが大好きなマグロだからこそ、よりよい部位を仕入れ、しかもサービス価格で提供しています」

つまり、寿司の華・マグロでは店の差がつかないという。そこで回転寿司が他店との違いを示すために力を入れているのが、炙ったり、揚げたりしたネタを使った創作寿司や、海鮮のうまみを引き出した逸品料理の数々。

「高級店では決して出合えないものをぜひ食べてみてください。そのおいしさの中にこそ、回転寿司店のアイデアや技術力といった実力が表れているのです」

最後に米川さんは、回転寿司の“目利き3カ条”を教えてくれた。

「まずは入店と同時に元気のよい声で出迎えてくれる店。入店と同時に食事が始まっていることをわかっている証拠です。次いで鮮度がおいしさに直結するアジやイワシの状態を見てください。活アジで供している店は仕入れに力を入れたおいしい店だといえます。最後に、オススメが書かれたボードに注目。静岡県産アジなどと産地名と魚の種類がキチンと書かれているお店も仕入れにこだわる店です」

ここまでわかれば、後は実践! おなかいっぱい食べ尽くそう。