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いくら紫外線対策を念入りにしていても、どんなに高価な美容液で手入れをしていても、10年後、20年後は確実にぐっと顔が老け込む……。それが、「スモーカーズフェイス(タバコ顔)」だ。

○乾燥ジワよりも怖い、タバコの悪影響

タバコの煙は健康を害するだけでなく、美容にも悪影響であることが医学的に明らかになってきている。加齢以外の皮膚の老化原因で、「タバコの害は紫外線に次ぐ」と言われるほどだ。

タバコを吸わない人でも、受動喫煙といって周りの喫煙者から煙をもらってしまうことがあるので無関心ではいられない。「乾燥や歳のせい」と思っていたそのシワ、実はタバコの煙が影響しているかもしれないのだ。

タバコの煙で「見た目老化」が促進

アメリカオハイオ州で、双子で喫煙者と非喫煙者の検証が行われた。写真を比較してみたところ、双子のうち喫煙した方が明らかにシワが目立ち、かつ、長期喫煙者の方がより老けて見えることが分かった。ほかの調査でも喫煙者の肌トラブルとして、シワを始めシミ、くすみ、ニキビが治りにくいなどの声が挙っているという。

スモーカーズフェイスの特徴・上まぶたが下がる 下まぶた(目袋)のたるみ・目の下のくま、深いほうれい線、上唇のシワ あごのたるみ・まぶたの色素沈着 血色の悪さが目立つ・やつれて病的に見える、歯肉が黒ずんでいる

ではタバコの何が皮膚に影響を与えるのだろうか。

1)ニコチンタバコを吸うと、以下のような傾向が現れる。

・血管が収縮・一酸化酸素が発生するため、肌細胞へ必要な酸素が不足・皮膚の温度や代謝も低下・女性ホルモン低下

このような影響で、タバコを吸っている人は肌に必要な「うるおい」「ハリ」「透明感」が低下し、更に「血行の悪い顔色」になるのだ。

2)活性酸素タバコの成分が皮膚内(真皮層)に侵入すると、老化の元凶物質「活性酸素」が発生する。そうすると、皮膚の真皮層にありハリやツヤの元になるコラーゲンやエラスチンの産生力が低下したり、皮膚の結合組織の破壊が起こったりする。その結果、深いシワが刻まれてしまうのだ。

3)活性酸素を除去するのにビタミンCが大量に消費されるタバコ1本につきレモン1個分のビタミンCが必要になる。そのため、老化を防ぐ抗酸化作用を持ち、コラーゲンの産生にも関わるビタミンCが不足してしまう。結果、シミやシワが増加し、傷が治りにくくなるなどの悪影響が出る。

4)タール(ヤニ)タールには、ニコチンや発がん物質を含有している。そして、肌の黒ずみや歯の黄ばみ、口臭などを引き起こしてしまう。

タバコは見た目の老化を加速させる

加齢、乾燥、お手入れ不足なども皮膚の老化を促進し、シワや肌荒れの原因になるが、タバコの害はそれ以上。長期間に亘ってタバコを吸い続けていると、深いシワが増えるのみならず、ほうれい線が刻まれ、顔色がどんよりくすむようになる。双子の研究では、顔を見ただけでどちらが喫煙者か分かるほどだ。タバコは「見た目年齢」に直結し、美容の大敵であることは間違いない。

対策として、タバコを吸っている人はビタミンCを人より多めに取ったり、スキンケアを丁寧にしたりすればどうにかなると思いがちだが、残念ながらそれは一瞬のフォローにしかならない。喫煙者にとってはつらい選択だが、肌老化を食い止めるためにも、今年は「禁煙」を考えてみよう。また、吸わない人も他人ごとではない。「副流煙」の影響は想像以上に大きいのだ。

対策1)「ダラダラ禁煙」よりも「キッパリ禁煙」の方が効果的徐々に本数を減らしていこうとか、来月から禁煙しようと思うとなかなか辞められません。禁煙は思い立ったら実行あるのみ。禁煙外来を受診し専門家を頼るのも一案だ。

対策2)副流煙を避ける喫煙時にタバコやフィルターを通して吸い込む煙を「主流煙」、タバコの点火部から立ち上る煙を「副流煙」と言う。実は、タバコに含まれる各種有害物質が発生する量は、主流煙より副流煙の方が多いことが分かっている。「低ニコチン」「低タール」タバコではフィルターの状態によって、主流煙よりも副流煙の発生量が多くなることもある。

受動喫煙で煙を吸ってしまうこともあるため、家族やパートナーが喫煙者の場合は、禁煙を勧めたり、吸う場所を考えてもらったりしよう。また、居酒屋やバーなどお酒の席では、受動喫煙の機会が増える。ちなみに、大量の飲酒はアルコールを代謝する時に、肌に必要なビタミンB群が大量に消費されるので、美容に悪影響が現れる。肌を大事にしたいなら、レストランや酒場では禁煙席をオーダーし、飲酒はほどほどにしたい。

からだエイジング

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