韓国芸能界の闇「性上納」をテーマにした映画「ノリゲ」

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韓国で度々問題となる芸能界の性上納(枕営業)問題。インターネットでは「人気俳優の大半が性上納経験者」といううわさが流れるほど芸能界では常習化しているとされ、枕営業を苦にした有名女優の自殺や、大手芸能企画会社代表による練習生への性的暴行など、大きな事件に発展し発覚するケースもある。

そんな性と権力が渦巻く韓国芸能界の暗部に光を当てた映画が、韓国の映画制作会社「マウンテンピクチャーズ」によって制作された。しかし資金不足から公開ができないとし、全国民に向けて大々的な支援金の募集に乗り出した。

報道によると、マウンテンピクチャーズは13日に、昨年11月30日に撮影を終えた映画「ノリゲ」(ノリゲ:なぶりもの、おもちゃの意)を公開するための広報費用として、1億ウォン(約8620万円)のカンパを募ると発表した。

性上納という敏感なテーマを扱っていることから、大企業や大手マネージ会社から投資金を集めることができなかったのだという。資金不足から制作は一旦中断されたが、「今、私たちが性上納について話さなければ、これからもだれも勇気を出せないだろう」という制作陣の強い思いから再び制作に着手。キャスティングも困難が続いたが、俳優マ・ドンソクを主演に迎えることができ、11月には映画も完成した。

俳優、制作スタッフはノーギャラで制作に参加。しかし、資金不足は解消していないため、広報費用だけは支援金募集サイトを通じて映画の公開を望む人々からカンパを募ることにした。

カンパは2500ウォン(約216円)から参加することができ、集まった資金は映画のチラシ制作、試写会開催、テレビ広告などの活動資金として使用。カンパ金額によって、試写会の招待券、DVD、エンディングクレジットへの名前記載、俳優や制作陣との感謝会の招待状といったプレゼントも用意しているという。

韓国のネット上には、「この映画は必要な作品」「こういった社会告発映画には協力したい」「テーマのせいで制作が困難だったのなら、性上納が深刻な状態にあることを表している」などの書き込みが集まり、多くの人が興味を示した。中には、「マ・ドンソクの今後が心配だ」といった声もあった。

映画の紹介文には「2013年大韓民国を激怒させる作品! 映画<ノリゲ>の公開を準備中です」とある。今のところ募集サイトには176人がカンパに参加し、4177500ウォン(約36万円)が集まっている。

参照:韓国日報
参照:<ノリゲ>公開プロジェクト

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