昨日はエムバイェ・ニアンで、今日はボージャン・クルキッチだ。ミランが攻撃陣の補強で勢いを見せている。28日、アドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役は、ローマへ飛んでボージャンの獲得を決めた。アーセナルFWニクラス・ベントナーへの扉も開いたままだ。レアル・マドリーMFカカーへのスポットライトは消えつつあるが、MFラッサナ・ディアラはますます気に入られている。カカーにしても、本当にすべて終わったのだろうか?

いずれにしても、ガッリアーニ代表取締役はマッシミリアーノ・アッレグリ監督の要求を受け入れ、すぐにストライカーのマーケットで動きを見せた。まずはベントナー、次にボージャンだ。後者は28日に入って動きを見せた。ベントナーについては、代理人が「何も言えない。だが、近いうちに知らせがある可能性はある。状況が打開するかもしれない。ニクラスがアーセナルを離れる可能性はある。レンタルででもね」と話している。

一方のボージャンについては、10時(現地時間、以下同)にローマのワルテル・サバティーニSD(スポーツディレクター)がミラノ入りし、ミランのオフィスでアリエド・ブライダSDと会談。15時にはボージャンがローマからミラノ行きの飛行機に乗った。この際、同選手は『Romanews.eu』で「ミランに行く。オフィシャルだ」と話している。

17時にミラノに到着したボージャンの交渉は、18時過ぎに終了。29日にメディカルチェックを受けることとなった。ボージャンは「準備はできている。何も恐れてはいない。このチームは僕にとって大きなプレゼントだ」とコメント。その後、サインのためにオフィスへ移動し、18時30分ごろには『ガゼッタ』の記者に、「ミランは最高の誕生日プレゼントだ」と話した。この日、ボージャンは22歳の誕生日を迎えている。

その後、オフィスを出たところで、ボージャンは再び『ガゼッタ』の記者に「ここに来ることを予想していた? イエス。可能性のあることだった。まだアッレグリ監督とは話していないけど、プレーする準備はできている。ローマサポーターのことは心に残っているよ」と述べている。

ガッリアーニ代表取締役は「素晴らしい補強だ。攻撃陣は大丈夫だね。マーケットは終了だ。カカーのためにマドリッドへ行くことはない。去年の(アントニオ・)ノチェリーノのような駆け込みの取引もないよ。我々は(アンジェロ・)パロンボのことも断った」と語った。

ミランは27日に170万ユーロ(約1億7000万円)とボーナスで、カーンからニアンを獲得している。セカンドストライカーの同選手は27日のうちにミラノ入りし、28日にメディカルチェックを受け、3年契約が正式発表されている。

カカーの件では、スペインの税理士の見解が大きな役割を担った。これにより、レアルからのレンタル移籍は実現不可能となったのだ。カカーは移籍すれば税率24%というメリットを失うことになる。そしてシーズン後、スペインへ戻った場合、レアルはそれ以降、税率50%を払わなければいけなくなるのだ。

だが、このマーケット終盤戦でのサプライズの可能性は排除できない。レアルが完全売却を考え続け、2500万ユーロ(約25億円)をも大きく下回る金額まで割り引くのであれば…。

それでも、疑問は生じる。ガッリアーニ代表取締役が「回れ右」をしたのは、フロレンティーノ・ペレス会長に対してではなく、カカーに対してだ。ミランには複数年にわたって高額サラリーを支払うことはできない。今のところ、カカーが年俸半額の条件を受け入れたのは、今シーズンのみに関してなのだ。