パ球団の編成担当者も、「松井のレンタル移籍はありえる話」と、うなずく。
 「結果的に実現しませんでしたが、星野監督はソフトバンクの馬原、日本ハムの武田久のレンタル移籍を画策していた。2人に共通するのは今季中にFA資格を得ることです。『来年は好きな球団に移籍していいから』と、あとがない星野監督の悲痛な訴えでしたが、願いは叶わなかった。その延長線上にあるのが松井レンタルでしょう」

 中日監督時代には落合、阪神監督時代には金本という大物選手を獲得し、2年目に大輪の花を咲かせた星野監督。楽天2年目の今回もラミレス(巨人→横浜)や村田(横浜→巨人)、李大浩(韓国ロッテ→オリックス)、栗原健太(FA権行使せず広島残留)の大物大砲を狙ったが、いずれも失敗に終わった。
 手にしたのは下柳・上園(阪神)、加藤(オリックス)、稲田(横浜)、門倉(サムスン)といったロートルと二戦級ばかり。これでは優勝どころかAクラスも難しい。そんな流れを一変させたのが、予想もしなかった中畑DeNAの人気とオープン戦の活躍だ。巨人、阪神を上回るマスコミ露出に、財布の紐が固かった三木谷浩史球団会長も、あわてて補強を承認したという。
 「ヤンキース時代の松井(年俸8億7000万円)なら手が出しづらいが、昨年のアスレチックスでの年俸3億3000万円以下で済むなら儲けモノ。岩隈のマリナーズ移籍で浮いた金だけでもお釣りがくる」(前出・放送関係者)

 昨季19勝の田中将大がマウンドに立ち、メジャー経験者の松井、松井稼頭央(メッツ)、岩村明憲(デビルレイズ)が援護射撃する。これだけの豪華キャストとなれば、ベンチもスタンドもぐっと盛り上がる。
 また、5月16日から始まるセパ交流戦で、松井ゴジラが巨人、阪神、中日の投手を相手にどんな凱旋バッティングを披露するのか? それだけでも本拠地球場が盛り上がるのは必至だろう。
 「楽天はもう一人、ヤンキースとの5年契約を満了した井川慶投手も狙っている。すでに神戸・三宮で三木谷会長、星野監督と会談し、『開幕ロースターに漏れたらお世話になる』という話になっているそうです。井川は阪神時代のエースであり、星野監督は岩隈の穴が十分に埋まる、と算盤をはじいています」(楽天担当記者)

 将来の監督を託し現役引退を願った山崎武司が中日に戻って開幕4番争いの活躍を見せ、明大の後輩・川上憲伸(ブレーブス)も日本球界復帰にあたり楽天ではなく中日を選択。これだけでも星野監督の闘争心に火がつくのに十分だ。
 松井ゴジラの仙台上陸は、星野楽天の巻き返し、ひいては被災地東北の復興の象徴となるに違いあるまい。