かねてから噂されていたように、横浜からFAとなった村田修一の巨人入りが濃厚のようだ。
ベイスターズの買収が正式に12月1日のオーナー会議で承認された直後には、「横浜DeNA」
が村田に対し引き留めの交渉を行っているが、その努力は水泡に帰しそうだ。
いや穿った見方をすれば、新球団として「精いっぱいの努力をしています」というファンへのポーズだったのかもしれない。

私は村田の引き留めには反対である。
来季は31歳になる村田は明らかに力が落ちて来ている。
今季は、最終戦で2本塁打を放ちかろうじて20本の大台(小台?)に乗せたが、パワー不足が目立った。これは統一球の影響だけでは無いだろう。
昨季も全144試合に出場しながら26本塁打しか打っていないからだ。
もはや2007―2008年に連続本塁打王になった頃の迫力は感じられない。
もともとあまり四球を選ばず出塁率が低いため、パワーに陰りが出てくると連動してOPSも年々目に見えて低下し続けている。
要するに、仮に来季以降も残留しても基本的にはこの1−2年の成績を上回ることは無いと考えるのが順当だろう。
ならば、村田の引き留めに大枚をはたくのは得策では無く、来季は筒香嘉智を三塁に据えて多少の粗さには目を瞑り起用し続けるべきだろう。

DeNAの(どうもこの言い回しはしっくりこない)春田新オーナーは「3年以内にクライマックス・シリーズに進出できるチームにしたい」と抱負を語っているようだが、そうであればなおさらだ。
村田を長期契約で引き留めても3年後には不良債権化している懸念は拭い去れない。
また、春田氏は「とりあえず最下位からは脱出してほしい」ともコメントしているが、それであれば当座の戦力としては、外国人選手に頼るのが定石というものだ。

ちなみに、村田を獲得するであろう巨人が提示した条件は2年総額6億円らしい。
単価はともかく、わずか2年契約と言うところがミソだ。
大物FAが発生すると誰彼と無く飛び付くのはこの球団の伝統だが、村田の場合は契約年数を抑えている。
すでに衰え始めていることを認識しているのだ。
FAで散財を続けた巨人もそれなりに学習したと言うことか。