遠投距離や50メートル走のタイムと並んで野球の実力を測ることのできる数字である球速表示で大台を出したわけですから、海外の野球チームが飛びつかないなずもないわけですね。
守備が上手い、といった主観ではなく数字として残ってるわけですから変に実力を吟味する必要もなかったわけです。



LAHORE - The Pakistan baseball captain Ihsanullah left on Monday for South Korea for a two-month high-level coaching scholarship offered to him by LG Twins Baseball Club of South Korea.
Ihsanullah, a pitcher from Army was picked by the Twins Club president Do-Hyun Eddy Na, on the recommendation of a South Korean coach Hwang, who had been coaching the Pakistan team for the last couple of years.
"Mr Hwang who has helped Pakistan baseball for couple of years has recommended Ihsanullah as a player who has a great potential. We believe that he could take his game to a higher level under the right coaching staff. If he is interested to accept the offer we would like to invite him for the coaching to give him a chance to experience pro-level training at our facilities,” the club said.


http://www.pakistantoday.com.pk/2011/09/pakistan-baseball-captain-off-to-korea/

これが二週間前ほどに出たパキスタンの現地記事です。
ウルドゥー語がどんな言語なのか正確には分からないのですが、そのウルドゥー語を英表記にしたときの表記方法やスペリングは定まってないんでしょう。Ihsanullahっていうのは姓と名がドッキングした表記であってお名前は日本語にするとイーサン・ウラーとお呼びするのが一番正しいかと思います。
軍人なのは知ってましたけどキャプテンとは存じてませんでした。

彼が150という数字を出したのは昨年の広州・アジア大会の香港戦。
150キロ出したことも向こうでニュースになったくらいですからね。
しかも「一発屋」ではなく、コンスタントに140キロ超えていたというからもう間違いない。そりゃgreat potentialがあるなんて考えるののも当然ですよね。
彼を韓国プロ野球、LGツインズに推薦したという「Mr Hwang」という方はHwang Dong Hoonがフルネームで漢字表記だと黄東勳。
現在アジア野球連盟の本部があることもあり連盟活動のほとんどは韓国のアマチュア野球連盟が仕切っているのですが、その一環としてパキスタンに送り込まれていた指導者がこのファンさんだったということです。
韓国球界の高校野球の指導者だったらしく、01年のアジアAAAでは韓国代表の指揮を執っています。
そんな彼の推薦でウラーはLGツインズで2ヶ月間修行を積むことになったようです。別報道では練習生契約なんて書かれ方もされてました。

しかしLG側はどういった思惑があるんでしょうかね。
いくら150キロを出したからと言って、韓国には外国人枠もあるわけですし、純粋な戦力して考えてるわけではないでしょう。
まあ150という魅力あふれる数字を、アジアの後進国のピッチャーが出したという事実にパキスタン野球のポテンシャルを感じたのでしょう。
アジアの野球振興半分、将来的な人材供給源や新しい市場開拓としての投資半分ってところでしょうか。
前者の締める割合が僕のアバウトな想像より大きなものであるのなら、韓国野球もアジアの野球をひっぱるという自覚も出てきたということなんでしょうか。

ただ記事のニュアンス的には韓国側が主導で動いたって感じですね。
後者の方が大きいかもしれない。ですがこれは大きな一歩のような気がします。

これまでのアジアの野球先進国と後進国との繋がりは「善意」に拠るところが大きかった。