台湾の有名スターが先ごろ、美容のために摂取していた胎盤で中毒したとするゴシップ記事がメディアを賑わしたが、人体の神秘とも言える胎盤のもつ「功能」について関心をもつ人は多いようだ。山東省青島市の地元紙、青島早報の記者が独自取材を行い、胎盤の売買についてリポートした。同紙が8月31日付けで伝えた。

 なお同紙のリポートは、胎盤売買の倫理性よりも、もっぱら「効能」に関心を寄せている。

 取材によると大多数の妊婦が出産後は胎盤は要らないと答えているが、それではこの膨大な量の胎盤はいったいどこへ行くのだろう――。記者は取材の過程で「胎盤は滋養効果が高いので、絶対に買って食べている人がいる」という声を何度も耳にした。

 記者が青島市立医院と青島大学医学院付属医院の当直看護士に取材を試みた結果、いずれも「病院で胎盤を売るなんてありえず、話にならない」と相手にされなかった。2病院によると、胎盤は医療廃棄物として焼却処分しているという。

 しかし、青島大学医学院付属医院での取材後に追いすがってきた中年の女性は「やみルート」があるとささやいた。中年女性は後日、記者に電話をよこし「数日後に入荷するので、予約金100元を払え」と告げた。

 中年女性は「(胎盤の)味はそれなり、肉に混ぜて肉まんやギョウザにしてもいいし、他の滋養材料と一緒にシチューにするのがベスト」だ話す。また「冷蔵庫で保存すれば1年はもつ」という。

 ヤミルートばかりか、通販サイトの淘宝網で検索すれば、粉末、錠剤、カプセルを問わず胎盤を使ったサプリメントが大量に売られていることが分かる。

 また、取材中に話しかけてきた青島大学医学院付属医院に入院中の年配の患者も「ヤミで結構売られている」と述べた。

 ところで、胎盤に大いに滋養作用があるというこの「伝説」は本当であろうか。

 青島大学医学院付属医院の韓主任は「漢方医学では、胎盤には滋養強壮効果があるとしている。確かいにグロブリンなどの免疫力を増強する成分も含まれている」と話している。しかし、「もしその胎盤がA型肝炎やB型肝炎、エイズなどの血液性感染症の患者のものだった場合、食べた人間も感染する恐れがある。医学的には胎盤の滋養効果は取るに足らない」と述べた。(編集担当:中岡秀雄)