韓国で放射能汚染予防効果をうたった食べ物が続々と登場

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放射能汚染への不安が高まる韓国で、「放射能汚染の予防にはビタミンC、Dが効く」「プロポリスに放射線被ばく予防効果がある」などの主張が次々と登場した。

大韓ビタミン研究会は7日、海外の学会誌に発表された「染色体異常を誘発するセシウムに対するビタミンCの防護力」(1992年)という論文などを引用し、放射能に汚染されないためにはビタミンC、Dを摂取すると良いとの見解を発表した。

ネズミにセシウムを浴びせ、24時間後に骨髄の染色体異常数を調べたところ、ビタミンCを摂取していないネズミの体からは22.0(±2.60)個の染色体異常が見つかったのに対し、ビタミンCを摂取したネズミの体からは15.4(±2.07)個が見つかり差が出た。これは2009年に米国の疾病管理予防センター(CDC)とハーバード予防医学、米国がん学会(ACS)が行った実験と同じ結果だという。

同研究会は「放射能に汚染された場合、体の免疫作用と関係するビタミンDの生成に問題が生じ、さまざまな疾病が発生する」とし、食べ物や栄養剤でこまめにビタミンC、Dを摂取した方がいいと指摘した。

また、韓国の世界プロポリス・サイエンス・フォーラムは8日、韓国原子力研究院の放射線生命工学センターチョ・ソンギ博士が2007年に発表した論文を元に、「ミツバチの巣から抽出された水溶性プロポリスは、放射線被ばくの予防に効果がある」と主張した。フォーラムのイ会長は「プロポリスに含まれる成分が、放射性予防や保護に卓越していることが研究で分かった」と述べた。

さらに、韓国国内では「高麗人参が放射能に効く」とのウワサが広まり、高麗人参の売上が伸びている。韓国人参公社によると、代表ブランド「正官床」が扱う高麗人参商品の売上は、前年同期比13%増の578億ウォン(約44億円)。高麗人参学会は「高麗紅参は放射能で傷ついた細胞を活性化させ、増血機能を改善して免疫力を高める」「完全に解毒することはできないが、被害を減らすことは期待できる」と説明した。

どれも効果のほどは定かではないが、放射能汚染からの予防を主張する食品は今後も増えそうだ。

参照:「ビタミンC,Dは放射能の盾」 - 韓国日報
参照:プロポリス、放射能被ばく予防効果論文注目 - 韓国経済
参照:紅参「放射能の予防効果ある」免税店で売り上げ二倍 - mkニュース

(文:林由美)

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